日本代表FW本田圭佑(24=CSKAモスクワ)が東日本大震災の義援金として、5000万円を日本赤十字を通じ寄付していたことが6日、分かった。本田はこの件について一切口を閉ざしているが、関係者によると震災から間もない3月中に個人で寄付をしていたという。スポーツ選手個人としてはマリナーズ・イチローの1億円、レッドソックス松坂の100万ドル(約8000万円)などに匹敵する高額だ。

 この日は、現在放送中のスポーツ飲料「アクエリアス」のCM撮影で使用したサッカーボール200個を被災地の子どもたちに寄贈することが発表された。本田と撮影スタッフの「サッカーボールで被災地に笑顔を届けられないか」との思いが発端となり、東北6県を統括する東北サッカー協会を通じて届くことになった。サッカー教室やW杯後の母校訪問などを通じ、子どもたちに夢を持つことの大切さを説き続けている男の信念に基づいた活動だ。

 異国ロシアで大震災の報に触れ、直後からピッチ上でのリーダーシップ同様に復興支援につながる活動に積極的に取り組んでいる。3月下旬には自身のホームページ(HP)上に基金を設立。これは私物のオークション(近日中に開催)収益を全額義援金とし、使い道や支援先を本田自らが情報を集めて決定する「オレ流」の基金だ。さらに、同HP上で呼び掛ける通常の募金も3日現在635万7590円に達している。

 その一方で、必勝を誓うチェコ戦に向け、公式練習後は完全に実戦モードに入った。取材ゾーンでの問いかけには応じず、無言を貫き、厳しい表情で引き揚げた。当然、日産スタジアムのピッチでのプレーにも被災地への思いを込める。