【マインツ(ドイツ)=栗田成芳】ブンデスリーガ初先発したマインツFW武藤嘉紀(23)が、アウェーのボルシアMG戦で隠れた「チーム4冠」の働きをし、今季初勝利に貢献した。後半ロスタイムに退きほぼフル出場で終え、一夜明けた24日は室内で回復に努めた。試合終盤は一時足が止まるほど走りきったはずが、最後に真骨頂を見せた。

 後半42分、スルーパスを受けフリーで右足を振り切ったがわずか左へ。同45分には前掛かりになる相手の裏を突きカウンター。持ち運んでGKとの1対1も、大きく上へ外した。シュートを抑える余力は残されておらず「最後の最後でスプリント(ダッシュ)を維持できる力っていうのが自分の良さ。あのカウンターこそ自分の真骨頂。2つ目は、最後まで体力を維持できなかった。このミスを絶対に忘れてはいけない」。初弾はお預けとなったが献身的な動きは数字が物語る。

 この試合ダッシュ(時速25キロ以上)29本、ラン(同21キロ以上)89本は両チームトップ。シュート3本はチーム1位タイでミスパス2本は先発で最少だった。粘着質で滑るピッチで、4部門でチームトップを記録。それでも「もっと目に見える形で結果を残したい」と、満足はしていなかった。