昨季準優勝のAマドリード(スペイン)が強豪Bミュンヘン(ドイツ)を1-0と完封し、開幕2連勝とした。前半35分にベルギー代表MFヤニック・カラスコ(23)のゴールで先制すると、ホームサポーターの大声援に後押しされ、相手の反撃を許さなかった。

 Aマドリードは堅守・速攻のスタイルを存分に発揮した。前半35分にカウンターからFWグリーズマンがボールを受け、相手を引きつけて左MFカラスコにパス。同MFがドリブルで切れ込んで左足シュートを決めた。その後はDFゴディンを中心にBミュンヘンの猛攻をはじき返した。

 こわもてのシメオネ監督が「今日は全てのことが良かった。アトレティコにきてから最高の試合のひとつ」と表情を崩した。ファンの存在もそんな快勝の理由の1つだった。試合前にはスタンドに「DALE ALEGRIA A MI CORAZON(私の心に喜びを)」という特大の人文字。Bミュンヘンのアンチェロッティ監督も、アウェーならではの雰囲気に「ここは欧州でもトップクラスの難しいスタジアムだ」と舌を巻いた。

 Aマドリードはここ3シーズンで2度の決勝に進出しているが、いずれもライバルRマドリードの前に涙をのんだ。昨季決勝直後には、敗戦のショックからシメオネ監督が辞任を示唆したほど。だが指揮官は三度目の正直を期して戻ってきた。「毎試合彼らが見せる情熱や規律あるプレー。この選手たちを指揮できて幸せだ」。幸先よい2連勝スタートに、指揮官も手応え十分だ。(山本孔一通信員)