日本代表から外れているメキシコ1部パチューカMF本田圭佑(31)が、直接FK弾で、2試合連続の得点を挙げた。2-3で敗れたモレリア戦(ホーム)にフル出場し、1-2の後半14分に直接FKを無回転のブレ球でねじ込んだ。今季公式戦9点目。この時点で、日本人の海外組ではアンデルレヒトMF森岡亮太(26)に並び、今季公式戦の得点数でトップに立った。

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 本田が左足で、代名詞の直接FK弾をねじ込んだ。それも無回転のブレ球。ほぼ正面28メートルから壁5枚を越え相手GKの手をはじく豪快な一撃。ホームの観客はホンダコール。主役はベンチのアロンソ監督のもとに走り、喜びを分かち合う。指揮官も「とてもいいゴール」と答えた。

 また決めた。2試合連続得点で、18年になりリーグ後期は開幕から5戦で3得点3アシスト。全5戦にフル出場し、すべての試合で得点に絡む。前半に微妙な判定で退場者を出したのが響き敗れたからか、試合後は日本からやって来たテレビ局のカメラの前も素通り。コメントはしなかった。

 パチューカは標高約2400メートルの高地。空気が薄く、ボールが伸び、変化も平地とは違うため苦労していたが、適応を証明した。直接FK弾はACミランの本拠地最終戦となった17年5月21日のボローニャ戦以来。無回転のブレ球でとなると、CSKAモスクワ在籍時の13年7月28日ロコモティフ・モスクワ戦以来、実に5年ぶりだった。

 ワールドカップ(W杯)を見すえた代表復帰へ、頑固なハリルホジッチ監督に猛アピールだ。この時点で森岡と並び、海外組の今季最多得点者に。何より、FKはハリルジャパンの泣きどころ。キッカー本田が決められなかったこともあるが、ハリル体制で直接FKによる得点はゼロ。本田不在でDF吉田が蹴る厳しい状況だ。W杯で勝ち上がるために必要な飛び道具、その威力を見せつけた。W杯に向け「自分が、絶対に、これは選ばなきゃいけないなと思わせる活躍をしないと」と話している。この活躍ぶりには、説得力がある。