サッカー元ブラジル代表で「王様」と呼ばれたペレさんが29日、サンパウロ市内の病院で亡くなった。82歳だった。FIFAワールドカップ(W杯)で史上ただ一人の3度優勝を経験し、サッカー史上最高の選手といわれた。
ペレがいたから「10」はサッカー選手にとって特別な番号になった。W杯では54年スイス大会から固定番号制が導入されたが、58年スウェーデン大会の選手登録時、ブラジルでは当時17歳のペレに偶然割り当てられたのが10番だった。同じく初のW杯だったガリンシャが「11」、ババが「20」をつけた。
ペレは出場2戦目の準々決勝ウェールズ戦で初ゴールを決めて17歳239日のW杯最年少ゴールを記録すると、準決勝のフランス戦ではハットトリックを達成。開催国スウェーデンとの決勝でも2ゴールを挙げて母国を初優勝に導いた。その後も所属クラブのサントスで10番を背負って活躍した。
62年のW杯チリ大会は負傷で2試合の出場だったが、2連覇。3度目の頂点に立った70年メキシコ大会を含め、W杯4大会で通算14試合12得点を記録した。以来、中心選手がつける番号として世界的にも広まっていった。
その後のブラジルは、リベリーノ、ジーコ、ライー、リバウド、ロナウジーニョ、カカ、ネイマールらがW杯で10番を背負い、アルゼンチンではマラドーナ、ドイツはマテウス、フランスではプラティニ、ジダン、イタリアではロベルト・バッジオ…。
カタール大会でも優勝したアルゼンチンの10番はメッシ。準優勝のフランスがエムバペ、3位のクロアチアがモドリッチとチームの顔が並んだ。時代とともにプレースタイルにおける「10番像」は変わっているが、今も特別な価値を持つことに変わりはない。

