<欧州CL:(3)CSKAモスクワ2-1セビリア(2)>◇16日◇決勝トーナメント1回戦第2戦◇セビリア※カッコ内は2戦合計得点

 CSKAモスクワ本田圭佑が、その左足で、欧州CLでの日本選手の歴史を塗り替えた。ピッチ上の派手な活躍と同様、試合後の本田の言葉がまた勇ましい。「日本人初とか興味がない。僕が目指しているところははるか上なんで」と、さらりと言ってのけた。

 後半10分の決勝ゴールは圧巻だった。ゴール正面やや右から約30メートルのFK。「狙える場所だった」と左足を振り抜くと、ほぼ無回転のボールが壁を越え、不規則な軌道でゴールへ向かった。相手GKはパンチングで逃れようとしたが、はじき切れずにそのままネットへ。本田は「GKのはじいた場所が僕の幸せな場所だった」とおどけた。

 CSKAモスクワ移籍後、公式戦はまだ4試合目ながら、リーグ開幕戦でも決勝ゴールを挙げ、その地位はチーム内でも確固たるものになりつつある。攻撃の多くは背番号18を経由され、組み立てられる。前半39分の先制アシストもスローインを受けると素早く反転し、左足でネチドの足元にぴたりとパスを預けた。「(ゴールまでの)イメージをつくれている」とチームメートとの呼吸も合ってきた。

 準々決勝の組み合わせが決まるのは19日。ただ、本田にとって、相手は大した問題ではないだろう。「セビリアに勝って終わりじゃない。まだまだ上がいる。だからサッカーは面白い」。8強では決して満足していない。

 [2010年3月17日9時48分]ソーシャルブックマーク