【ナッシュビル近郊(米国)11日(日本時間12日)=佐藤成】FIFAワールドカップ(W杯)北中米大会に臨むサッカー日本代表に激震が走った。ケガの影響で別メニュー調整が続いていたMF遠藤航(33=リバプール)が離脱。FW町野修斗(26=ボルシアMG)が代わりに追加招集されることが決定し、新主将はDF板倉滉(29=アヤックス)に託された。
前主将で、今回はサポートプレーヤーとしてチームに帯同しているDF吉田麻也(37=LAギャラクシー)が遠藤離脱について語った。
代表メンバーではないことから、取材に応じる義務はないが、自ら取材エリアを通って切り出した。
「いやもう僕も今朝、みんなと同じタイミングでしたんで。南野三笘に続いてですけど、チームを今まで引っ張ってきた選手なので、ダメージはもちろんありますけど。ただ、航がいないパターンももちろん想定して戦ってきたと思うので、特にこの合宿からは航がどうなるかわからない状態だったわけだけど。チームはこれで動揺せずにしっかりとやるべきことに集中して初戦に挑むべきだと思います」
国内合宿ではアイスランド戦限定の代表メンバーとして、メキシコでの事前合宿ではサポートプレーヤーとしてチームを俯瞰(ふかん)しながら見てきた。この日の朝、練習場でトレーニング前に全員に言い渡された。
「チームの雰囲気はもちろん、いつもと同じではなかったですね。その、まあミーティングして、その後準備して練習だったんで。僕としてはそういうパターンもあり得ると思ってたので、ワタルの状況をみてて五分五分だなという気でいたので、そのパターンもあるんじゃないかなという考えをもちろん持ってた」
遠藤は自身の後を継いだ主将。18年W杯ロシア大会からW杯2大会に出場し、21年には東京五輪にもオーバーエージとして出場するなど、絆は深い。遠藤がメンバーに言葉を発することなく、チームを離れたことについて、吉田は心境をおもんぱかった。
「特殊なパターンで僕も経験してないので、まずはいち選手として、このW杯目前に去らなければいけないというのは、ものすごく辛いともちろん思います。で、キャプテンとして今までやってきたからこそ、チームへの思いも人一倍強いだろうし、そういう意味では感情の整理ができなかったのではないかなと予測されますけど。落ち着いたら何かしらのアクションがあると思うかなとは思いますね」
想定外ではあるが、吉田がメンバー外でもチームに帯同する意味合いがより強くなった。「本当に大会が近づくと、ささいなことが何か大きな亀裂になるきっかけになり得るので、そういうところの細かい亀裂を見逃さないために自分はいる」と役割を強調。「なるべく周りに気を配らせてるつもりですし、こういうことがあった時に、チームがいいリアクション、リアクションは起きると思うので、いいリアクションに転がるように、細心の注意を払ってるつもりでおります」とした。
オランダ戦まで残り3日。取り組むべきことは変わらない。「むしろ向こうもいくつか問題を抱えてるような雰囲気があるので、その中でどっちが崩れずに、むしろどっちかが勝てばその片方は崩れする可能性あるし、片方は勢いに乗れる可能性があるので、もちろん勢いに乗れる方にならなくちゃいけないので、そのために残りの時間で何をすべきかですね」と前を向いた。
離脱が決まった遠藤は2月11日のサンダーランド戦で左足甲の靱帯(じんたい)を痛めて手術。リハビリに励み、5月31日のアイスランド戦で復帰していた。しかし同試合で左足に違和感を覚え、前半のみで交代。6月2日から始まったメキシコ・モンテレイでの事前合宿から別メニュー調整が続いていた。
ベースキャンプ地の米国ナッシュビルに移り、10日の練習では部分合流。復帰に向けて状態が上がっていると思われたが、11日の練習には姿を現さなかった。
チームは14日に1次リーグ初戦のオランダ戦(ダラス)を迎える。大会規定でケガ人や病人が出た場合は初戦の24時間前までにメンバーの入れ替えが可能。タイムリミットが迫っていた。


