【ナッシュビル近郊(米国)11日(日本時間12日)=佐藤成】FIFAワールドカップ(W杯)北中米大会に臨むサッカー日本代表に激震が走った。ケガの影響で別メニュー調整が続いていたMF遠藤航(33=リバプール)が離脱。FW町野修斗(26=ボルシアMG)が代わりに追加招集されることが決定し、新主将はDF板倉滉(29=アヤックス)に託された。
遠藤より1年年上のDF谷口彰悟(34=シントトロイデン)は、「やっぱ、つらいです、はい。航の気持ちを考えると、ここまでカタールW杯終わってから、このチームのキャプテンとして引っ張ってきた選手ですし、そういう選手がケガをしてからこの大会に向けて全力を尽くしてきた中でのこの離脱なので、航の気持ちを考えると正直つらいし、チームに対する影響が大きいことは間違いない」と思いを明かした。
年齢の近い2人はともにリーダーシップを発揮してチームをけん引してきた。無念の離脱に、心境は複雑だ。「驚きました。ここから徐々に回復して、合流していくと思っていたし、本人もそういうつもりだったと思います。そういう中で離脱になった思うので驚きましたし、航の気持ちを考えるとすごいつらいなという気持ちが正直なところ」。
精神面で動揺は隠せない。「彼の気持ちを考えると、すぐには切り替えられなかった」と素直に吐露する。それでも「僕らは本当に前に進むしかない。より一層強くなっていかないといけない場面かなと思っている」と正念場だと捉えている。
遠藤はチームメートに言葉を発することなく去った。思いを聞きたかったかと問われると、谷口は「もちろん、その気持ちはあります」としつつ「ただみんなの前でしゃべることがなかなか難しい心情というのも十分理解できるし、そこは何も特別思っていないし、航が切り替えやすいとか、そういう選択をしてもらえば全然いいと思う」と思いやった。さらに「僕らは最後話せなかったとか、そういうのは全く心残りないというか、その気持ちは十分理解しているというのは、この場を通じて航に伝わればいいかなと思います」。
新主将の板倉は川崎フロンターレ時代の後輩でもある。自身はクラブでキャプテン経験もあり、サポートできる部分はある。
「コウのチームに対する存在感、キャラクターもそうですけど、すごくいいものを持っているのは皆さん分かっていると思います。みんなからの信頼も厚いですし、コウもここでいきなりそういう役割を与えられて、色々と考えることもあると思いますけど、そこは僕は出来るだけサポートしたいですし、コウもあまり1人で抱え込まず、そういうことが出来る選手なので、何も心配はしていない。みんなで支えながらやっていきたいとより一層思っています」
離脱が決まった遠藤は2月11日のサンダーランド戦で左足甲の靱帯(じんたい)を痛めて手術。リハビリに励み、5月31日のアイスランド戦で復帰していた。しかし同試合で左足に違和感を覚え、前半のみで交代。6月2日から始まったメキシコ・モンテレイでの事前合宿から別メニュー調整が続いていた。
ベースキャンプ地の米国ナッシュビルに移り、10日の練習では部分合流。復帰に向けて状態が上がっていると思われたが、11日の練習には姿を現さなかった。
チームは14日に1次リーグ初戦のオランダ戦(ダラス)を迎える。大会規定でケガ人や病人が出た場合は初戦の24時間前までにメンバーの入れ替えが可能。タイムリミットが迫っていた。


