2020年東京五輪を見据え、日本陸連が発表した「後半に力を発揮できる選手」という強化方針に、優勝した重友梨佐(29=天満屋)が応える形となった。他の有力選手が後半にペースを落とす一方、前後半をほぼ同じタイムで力走。尾県貢専務理事は「自分でレースを組み立て、強化の思いを反映した」と高く評価した。

 自己ベストで2位に入った堀江美里(29=ノーリツ)は25キロすぎでスパートし、10キロ近く先頭を独走した。終盤に失速したものの、女子マラソン強化の現場責任者、山下佐知子氏は「すごくよかった。ラスト1、2キロのスパートじゃなく、自分で判断して抜け出した」と称賛の声を送った。

 今回は2人いたペースメーカーが10キロ付近で1人となり、一定のペースを刻むことができなかった。ゆったりとしたペースを経た後半勝負とならなかったのは、強化関係者の想定外だった。

 重友は2大会連続の世界選手権代表入りに前進した。残る選考レースは今大会と同じペース設定で行う3月の名古屋ウィメンズマラソンのみで、昨年、僅差で五輪代表を逃した小原怜(天満屋)らが出場を予定している。