陸上男子走り高跳びで2メートル35の日本記録を持つ戸辺直人(27=JAL)が25日、欧州遠征から帰国した。

オープン参加したエストニア選手権では2メートル31をクリア。目標にしていた東京オリンピック(五輪)の参加標準記録2メートル33には届かなかったが、技術面の調整が十分でない段階で好記録を出せた。「70%、80%ぐらいの状態だった。その中で2メートル31を跳べたのは悪くない」と振り返った。失敗した2メートル34も「惜しい跳躍ができていた。バーを超えられる浮きはあった」。これから夏に向け、踏み切り位置、助走スピードなどの精度を上げれば、記録は伸びる。「トレーニングがうまくつながっている。その確認ができたのは収穫」。冬季、主に取り組んできた体力面の強化への手応えを確かにした。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、ともに中国で予定されていたアジア室内選手権は中止になり、世界室内選手権は延期となった。その代わりが、今回の遠征だった。遠征中に拠点としていたエストニアには感染者はいない模様で、移動など不便はなかったという。とはいえ新型コロナウイルスの集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の報道は、現地でもされていたという。この日も出国時に続き、写真撮影以外はマスクを着用。戸辺は「体調管理が一番大事。十分に気を付けないといけない」と話した。