新型コロナウイルスの感染拡大を受け、31日の大阪国際女子マラソンについて、日本陸連などが大阪市の長居公園内を約15周するコースに変更する方向で調整していることが18日までに分かった。20日の会議で正式に決定する。

感染リスクを抑えるための策だが、日本新を狙える絶好のチャンスにもなる!? 変更後も、記録は公認となる見込み。1周約2・8キロの公園内ランニングコースはアップダウンがほぼなく、平たん。しかも市街地と違い、減速が必要な急カーブまで消える。関係者は「風、天候の条件が整えば、よりタイムが出ることも考えられる」と指摘する。事実、フラットな東京・自衛隊立川駐屯地内を約8周するコースに変わった昨年10月の箱根駅伝予選会では、大迫傑のハーフマラソンU20(20歳未満)日本記録が塗り替えられるなど好記録が連発した。特例措置の今回も、同様のパターンとなる可能性もある。

メンバーもそろっている。自己記録が2時間20分29秒の一山麻緒(23=ワコール)、2時間23分48秒の前田穂南(24=天満屋)と五輪代表2人に、2時間23分52秒のベストを持つ岩出玲亜(26=千葉陸協)も参戦予定。もともと大会は日本記録2時間19分12秒の更新を目指しており、ペースメーカーに抜てきされた川内優輝(33=あいおいニッセイ同和損保)も、そのアシストへ意欲満々だ。

従来はヤンマースタジアム長居発着で大阪市内を巡っていた。だが、緊急事態宣言が出ている状況。周回にすれば、走路員や給水員などの数を減らせ、公園の入り口を封鎖すれば、一般観衆は抑えられる。密を防ぐための緊急策として周回案が浮上した。