フィギュアに恋して

NMB川上千尋 宮原知子が「千尋ちゃんやんね?」

<スケーターからアイドルへ(2)>

 フィギュアか、アイドルか-。中2だった12年、川上はNMB48のオーディションに合格した。8年間打ち込んだフィギュアでは、2回転ジャンプを全て習得。3回転サルコーの練習中だった。かねて芸能界への興味があったが、新しい1歩には勇気が必要だった。

ガッツポーズするNMB48川上千尋(撮影・前田充)
ガッツポーズするNMB48川上千尋(撮影・前田充)

 川上 合格したのはうれしかったけれど「こっちもやりたいし、あっちもやりたい」という気持ちがあった。「どうしたらいいんや…」って号泣しました。

 その同年、同じリンクで練習していた小芝風花(20)がドラマ「息もできない夏」で女優デビュー。「いろいろなところで頑張っている人がいる」とNMB48の4期生としてアイドル転身を決めた。

 川上 フィギュアをしていたことで我慢強いというか、ちょっとのことではめげないかなと思います。歌は緊張しますが、ダンスの振り落とし(言われた動きの実践)は得意。「ターンのキレがいいね」と言ってくださる方もいます。

 14年ソチ五輪は、同じ大西勝敬コーチに師事した先輩の町田樹氏が出場。2月に控える平昌五輪は同世代の代表が中心で、「今年は特に」と応援に力が入る。

 川上 (宮原)知子ちゃんとは1回、しゃべったことがあります。小4ぐらいの時に何かの大会で、面識もないのに友達と「話しかけにいこう」って行ったんです。そうしたら「千尋ちゃんやんね?」って…。知子ちゃんは覚えていないと思うんですが、名前を知ってくれていて恐縮しました。

 当時から1学年上の宮原は同世代のスター。演技や大会のパンフレットを見たのか、自分の存在を知っていてくれた喜びも「誰に対しても謙虚で、みんながしゃべりにいっちゃうような優しさがあった」という印象を強めた。2学年下の坂本花織も「上にいく選手なんだろうな」と思いながら表彰台を眺めた記憶がある。田中刑事とも同じリンクで練習をした経験があり、身近な面々が出場する五輪を待ち遠しく見つめる。

 川上 (昨年12月の)全日本選手権で知子ちゃんがしたように、笑顔が最後にはじけるような演技だったり、ガッツポーズが見られる演技はすごく感動します。そういう演技が見られたら、すごくうれしい。応援しています!

 女優の夢を追いかけながらも、「魅力しかない」と目が輝くフィギュアスケートを応援する気持ちは変わらない。【取材・構成=松本航】

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宮原知子
宮原知子

 日本のフィギュアスケートは長年、世界のトップレベルで争ってきた。冬季五輪では3大会連続でメダルを獲得し、男子の羽生結弦は2018年平昌五輪で2連覇がかかる。日刊スポーツでは、そんな冬季スポーツの花とも呼べる競技をさまざまな角度から取材、分析し、長期連載を掲載していきます。

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