ちばてつや

WBC世界バンタム級戦で王者グレグ・リチャードソンを攻める辰吉丈一郎は日本人最速8戦目で世界王座を獲得した
WBC世界バンタム級戦で王者グレグ・リチャードソンを攻める辰吉丈一郎は日本人最速8戦目で世界王座を獲得した

世界一強い男なのにうつぶせになって泣いている。プロ8戦目、日本人最速で世界チャンプになった瞬間だった。ハングリー精神ではい上がってきた、まさに〝あしたのジョー〟辰吉丈一郎がボクシングバンタム級のチャンピオンベルトを巻いた。この時21歳。1歳で両親が離婚し、父親に育てられた。王者第一声が「父ちゃん、やったぜ。俺は父ちゃんの子や」。テレビカメラに向かって呼びかけた。「あしたのジョー」の漫画家ちばてつやさんが「猛獣に襲いかかるあの目、漫画では描いているが実際に出会ったのは初めて」と一夜明けても興奮気味に語った。後に辰吉は網膜剝離やケガに襲われボクサー人生ピンチに立たされるも現役にこだわった。(^o^)

<ボクシング・1991年9月21日掲載>