今年3月の世界選手権を最後に現役を引退し、今季から神戸クラブで指導者としての歩み始めた坂本花織さん(26)が、競技会で初めて教え子たちに同行した。
ジュニア女子には同クラブから9人が出場。坂本さんは、リンクサイドでは演技前の選手から上着を受け取り、一人一人に声をかけながら送り出した。演技中は真剣な表情で一挙手一投足を見守り、滑り終えるとアドバイスを送っていた。
昨年6月に25-26年シーズン限りでの現役引退を表明し、今年2月のミラノ・コルティナ五輪で個人、団体ともに銀メダルを獲得。現役最終戦となった世界選手権では自己ベストの合計238・28点をマークし、日本人単独最多となる4度目の優勝で有終の美を飾った。世界の頂点で培った経験を、今度はリンクサイドから後輩たちへ伝えている。
この日、58・25点を記録した上薗恋奈(16=シスメックス)は演技前に坂本さんから「スピードを出して跳んでおいで」と送り出された。「跳び急ぎが多いので、前の手と後ろの足を対角に伸ばしてから跳ぶことや、後半の呼吸の使い方などを選手目線で教えてくださるので、すごく分かりやすいです」と感謝した。
現役時代は「ずっと笑顔で優しくしてくれる存在」だったという坂本さんについて、「今は厳しい言葉もありますが、みんなが試合で思うような演技ができるように指導してくださっている。厳しさもありつつ笑顔も見せてくれるので、すごく心強いです」と信頼を寄せていた。【勝部晃多】


