東海大が流通経大との全勝対決を制し、3年ぶり6回目の優勝を決めた。試合終了間際に追いつき、逆転する劇的な展開で、流通経大の3連覇を阻んだ。FW陣の強さが光る東海大の次なる目標は、大学選手権で6連覇中の帝京大撃破となった。

 東海大は終了間際の後半40分に追いついた。規定上、引き分けでも優勝。ボールを外に蹴り出せば終了だったが、同点では優勝できないと思っていた選手たちは勝ちにこだわって攻め続けた。47分、20回を超える連続攻撃の末、ロック橋本がポール脇にトライ。選手たちは初めて勝利を確信し、跳び上がって喜んだ。木村監督は「引き分けなら(勝てる)という計算はしていなかった」と苦笑した。

 W杯の日本-南アフリカ戦を選手全員で食堂で観戦した。終了間際に日本がスクラムを選択し、逆転トライにつなげた。東海大出身のリーチ主将らの姿に、フランカーの藤田主将は「僕らもFWにこだわる。目指す場所はそこでいいんだと思えた」と勇気をもらった。この日はモール、スクラムで流通経大を圧倒した。目標の日本一へ、今季も対抗戦を制した帝京大が高い壁となる。藤田主将は「ジャパンが南アフリカに勝った。僕らが帝京大に勝つことも不可能じゃない」と、気持ちを奮い立たせた。