日本男子レスリングのエース、リオデジャネイロ五輪フリースタイル74キロ級代表の高谷惣亮(27=ALSOK)が、ALSOK戦隊「センター」の座を射止めた。同社テレビCMの新バージョンで、グレコ59キロ級代表の太田忍(22)らを従えて中央で得意のダンスを披露。17日、新潟・十日町での男子日本代表の公開練習後に本人が明かした。

 高谷にとって、同社CMの「センター」は悲願だった。14年世界選手権で銀メダルを獲得した時は直訴したというが、あっさりと却下。「世界選手権の銀ではダメ。五輪で金を取らないと」と話していた。

 しかし、昨年末に「不動のセンター」として君臨してきた吉田沙保里(33)が同社を退社。吉田とともにリオで五輪4連覇を狙う伊調馨(31)は在籍しているものの、悲願成就が見えてきたのは確かだった。

 わずか4人の男子五輪代表。前回ロンドン大会は9人だから、エースへの期待は大きくなる。もともとレスリング界きってのイケメン。ポジティブで明るいキャラクターもあって、女性ファンも多い。リオ五輪を前にテレビ出演や女性誌への登場も増えていた。

 最近はファンの子どもから「いつになったらビームが出せるようになるの、って聞かれるんですよ」と笑った。目からビームは、ALSOK戦隊の吉田の必殺技。「練習しているんですよ。でも、涙しか出ない」とジョークを飛ばした。

 リオでの目標を聞かれると「変わりません。金メダル」と真剣な目で言った。「センターの座」も「女性人気」も結果を残してこそだということは、よく分かっている。「気持ちを少しずつ盛り上げて、スイッチを入れるのは1カ月前くらい」。高谷の目には、はっきりとリオ五輪の表彰台が見えている。