日本体協の張富士夫会長(79)が6月の役員改選で任期を満了し、退任する見通しとなったことが10日、複数の関係者への取材で分かった。トヨタ自動車の名誉会長で2011年4月に森喜朗元首相の後を受け、第15代会長に就任した。現在3期6年目で、日本体協は慰留に努めたが、関係者は「本人の意志が固く、後任の推薦もいただいている」と状況を説明した。

 日本体協は11日に理事会を開くが、既に20年東京五輪・パラリンピックを見据え、次期役員候補者選定委員会で後任の人選に着手している。次期役員は6月の評議員会で正式に決まり、会長は新理事の互選で決定する。

 経団連副会長や日本自動車工業会会長を歴任した財界の実力者である張氏は、日本体協の創立100周年の11年7月に今後100年に向けた「スポーツ宣言」を採択した。13年に発覚した柔道の暴力指導問題の対応や、東京五輪招致の支援活動でも優れた手腕を発揮した。