珍事が起きた。女子57キロ級1回戦で玉置桃(22=三井住友海上)と小野彰子(24=ベネシード)が、審判員に消極的な攻撃と見なされ、延長戦で3つ目の指導が与えられて「両者反則負け」となった。2人は次戦に進めず、準決勝は宇高菜絵が不戦勝となった。

 2人は試合後、首を何度も振って、判定に納得がいかない様子を見せた。今大会は、国際柔道連盟(IJF)の新ルールが国内大会として初めて適用され、従来、指導4つでの反則負けが3つに変更された。全日本柔道連盟(全柔連)の西田孝宏審判委員長は「展開から見て仕方がない。珍しいかもしれないが、ルールだということを分かってほしい」と新ルールに理解を求めた。

 同大会で「両者反則負け」があったのは、95年の男子95キロ超級(当時)の準決勝以来。92年バロセロナ五輪銀メダルの小川直也と(現全柔連強化委員長の)金野潤との対戦で、決勝は(現女子代表監督の)増地克之が不戦勝で優勝した。