ボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(24=大橋)が27日、リオデジャネイロ五輪柔道男子60キロ級銅メダリストの高藤直寿(24=パーク24)と合同練習を敢行した。横浜市内の大橋ジムで実技指導しながら意見交換。高藤は世界選手権(8~9月、ブダペスト)で4年ぶりの世界一を狙う。

 高藤は経験したことがないような動きに、進化のヒントを探った。昨年9月の井上のV4戦を会場で観戦するなど、以前からボクシングに関心を持ってきた。この日、念願かない、世界王者からの直接指導も受けると、「いろいろな動きを取り入れたい。いつもと違うので、思ったより息が上がりますね」と、大粒の汗を流しながら充実感をにじませた。

 8月には世界選手権がある。その先には20年東京五輪も待つ。「この年になると柔道の技術向上より、いろいろなことからヒントを探りたい」と貪欲だ。柔道は外国勢が他の格闘技の技術を持ち込むなど、多角化が進んでいる。人一倍研究熱心な高藤も、「まったく違う競技だからやる意味がある」と狙いを持つ。「1、2回で分かるものではない」と、継続的にボクシングも研究していく姿勢を見せていた。