英国GP予選Q1で終了1秒前にドライタイヤでアタックに入りトップタイムを記録したフェルナンド・アロンソだが、本人はそれに浮かれるようなところはなく決勝に向けて気を引き締め直している。

 「それ自体に大きな意味はないよ、決勝に向けてドライタイヤのフィーリングを確認しておきたかったんだ。ファンの人たちに喜んでもらえたのは良かったし、ピットガレージで懸命に働いてきたスタッフたちもこの結果に値すると思う。でも大切なのは明日だ。今日は刻々と変わるコンディションではクルマに競争力があることは証明できたから、明日もそんなカオスなレースになれば良いね。ピットストップが25回も行われるようなレースなら、僕らはそれを23回にすればトップまで挽回できるからね(笑)」。

 ストフェル・バンドーンはモナコGP以来2度目のQ3進出を果たし予選9位、決勝は上位のグリッド降格ペナルティーにより8番グリッドスタートとなる。

 「シルバーストンでQ3に行けるとはあまり思っていなかったよ。モナコではQ3に進んだものの(Q2の最後にクラッシュしたため)走れなかったから、今日はQ3を走れて良かった。難しいコンディションだったけど僕らはずっと速かったし良い予選セッションだったね。ここ数戦はかなり気持ち良くクルマを走らせられるようになってきているし、明らかに進歩していてフェルナンドとの差も小さくなってきている。これだけ前進できたことをうれしく思っているよ」。

 ホンダの長谷川祐介F1総責任者は、ドライバーたちのドライビングを称賛した。

 「フェルナンドのQ1の1位は、あのタイミングでアタックに入れたこと、そしてあの難しい路面コンディションでミスなくアタックを決められたことというのはドライバーの力だと思います。ストフェルは金曜日からクルマの仕上がりに満足していましたし、このパワーサーキットでQ3に進めたのは良い仕事ができたと思います」。

 前戦オーストリアGPから実戦投入したスペック3のパワーユニットも効果を発揮したとした。雨の予報もある決勝でもポイント獲得を狙うとしている。

 「スペック3の投入によって去年と同じくらいのこのくらいの位置で戦えるようになるとは思っていましたが、コーナーが速かったことでストレートも立ち上がりからスピードを乗せていけたおかげで不利はそこまで大きくありませんでしたね。もちろん明日もポイントを狙っていきますし、フェルナンドも最後尾からのレースになりますがポジションアップしてくれればと思います」。(米家峰起通信員)