オール三菱が20-17で、アサヒビールに試合時間残り0秒で逆転勝ちした。先月29日のリーグ最終戦では、台風22号の大雨の中、3-20で敗れたが、準々決勝進出がかかる大事な試合で見事に雪辱、初の8強入りを果たした。

 10-17と7点差を追う第4Q、オール三菱はQB斎藤がゲームをコントロールした。パスとランをうまく使い分けて前進、RB鈴木のファンブルをゴール前で味方が押さえる運も味方に付け、4分23秒に斎藤自身の6ヤードTDランで同点とした。

 その後、第4ダウンギャンブルと見せた場面で、斎藤が絶妙なパント。ボールを敵陣2ヤードに押し込み、相手の反撃の芽を摘んだ。そして、試合時間残り1分58秒、50ヤード地点からの攻撃で時間をコントロールしながら、パスとランでゴール前18ヤードに迫ると、最後は試合終了と同時にK谷沢が35ヤードのFGを決めた。

 絵に描いたような逆転勝ちに斎藤は「良いテンポでオフェンスを進められた」とニッコリ。そして、先週の敗戦については「気持ちを完全に切り替えてできた」と一切引きずることがなかった。意表をついたパントに関しては「ちょこちょこ練習はしていたが、会心のデキだった」の思わず笑い声もこぼれた。

 12日には大阪ヤンマースタジアム長居で、リーグ戦1位のパナソニックに挑む。斎藤は「1対1では勝てない。組織で準備してやる」と総力戦を誓った。林ヘッドコーチは「相手は全勝できているが、そこが盲点。実力差はあるが、以前に松下電工とやって3-7だったので、苦手意識はない」と番狂わせを思い描いていた。