今年7月の世界選手権(ドイツ)で銅メダルを獲得した世界ランキング16位の敷根崇裕(19=法大)が、ベスト8で敗退した。準々決勝で世界14位のエルワン・ルペシュー(フランス)と対戦。終始リードを許す展開のまま9-15で涙をのんだ。

 日本期待の星が、思わず表情をゆがめた。「メダルを狙っていました。それだけに悔しいです」。速攻と接近してからの変則的なアタックで3回戦までは順調に勝ち上がったが、ベスト4進出、メダルがかかった大事な試合で35歳の大ベテランにはね返された。

 世界選手権以降は、より確実にポイントを奪えるように攻撃の精度を高める練習を重ねてきたが、「自分のミスでポイントを取れなかった」。決めるべきところで逆にルペシューのカウンターを浴びた。「エルワンは手数が多く、スピードもある。でも、今度やるときは必ず勝ちたい」と前を向いた。アタック、カウンターの精度向上を求め続けるしかない。

 世界選手権銅メダルをはさんで国際大会ではベスト8、ベスト16、ベスト8と好成績が続く。世界選手権銀メダルの西藤俊哉(20=法大)ら同世代のライバルも多いが、安定感では頭一つ抜け出した印象だ。それだけに悔しさと同じくらいに自信も膨らんでいる。「20年東京では、満員の会場でメダルを取れるように頑張りたい」。敷根は最後に力強く締めくくった。