平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)ノルディックスキー・ジャンプ女子で銅メダルに輝いた高梨沙羅(21=クラレ)が、日刊スポーツに手記を寄せた。4位に泣いた14年ソチ五輪から激動の4年間を過ごし、ようやく手にしたメダル。心の葛藤や感謝の気持ち、そして、22年北京五輪での金メダルへの思いをつづった。
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2本目を飛び終えテレマークを入れた瞬間、安堵(あんど)とともに喜びがこみ上げてきました。無意識のうちに両手を上げ、ガッツポーズをしたのはいつぶりだろう。少なくともシーズンでみると初めてのガッツポーズだったと思います。
ソチオリンピックが終わってからここまでの4年間は私にとって挑戦の連続でした。
初めて女子ジャンプ競技が正式種目となり、自分がその舞台に立たせて頂いたにも関わらず、結果を残せず、今まで女子ジャンプ界を作り上げてきてくれた先輩方、そこに携わって支えてくれた方々へ申し訳ない気持ちと、自分へのやるせない、情けない気持ちでいっぱいになりました。それからは悔しさをバネにというときれいな言葉に聞こえますが、その失敗を練習へのエネルギーに変えて、0から自分を見つめ直し、自分のスタイルを組み直して行きました。
オリンピック、世界選手権とビッグゲームになると力を出し切れないのはどうしてなのか。今でも明確な答えは出せていませんが、自分なりに考えた結果、心の余裕を持つことが出来ず、自分で自分をつぶしているのではないかと考えました。そこで、オンオフの切り替えをはっきり付けたり、自分と向き合う時間を毎日習慣づけた結果、自分が何者なのか、第三者的に見つめられるようになり、より弱点や傾向がわかるようになりました。地道な作業でしたが、平昌オリンピックの試合当日にしっかり自分の足でスタート台に立ち、自分を信じて飛べたのは、そんな細かいことの積み重ねのおかげだったと終わってみて感じています。
平昌オリンピック試合当日、今までの辛い練習や合宿での楽しかった思い出を振り返る中で改めて、支えてくれているチームの皆、家族、応援してくださっている方々の温かさを身にしみて感じ、1人じゃないと強い気持ちを持って会場に向かうことが出来ました。
トライアルラウンドを終え、1回目に向かう途中も、今まで積み重ねてきた練習を思い返し、後は楽しむのみ。と自分を貫くことができ、自分を信じて、最後は無心で飛ぶことが出来ました。2回目を飛び終えた後、日本チームの皆が駆け寄ってきてくれて、お疲れさま! よく頑張ったね! と抱きしめてくれて、うれしくて涙が止まりませんでした。日本チームとして、こんなにも温かい人たちとこの場に、オリンピックに戻って来ることができ、本当に幸せに思いました。感謝してもしきれません。
目標としていた金メダルには届きませんでしたが、4年後の北京オリンピックで今度こそ、金メダルを取って感謝の気持ちを伝えられるよう、また新たにスタートを切りたいと思います。


