男子の日本勢は小田倉真(24=三井住友海上)が32位、古谷純平(26=三井住友海上)が34位と低迷。横浜での世界シリーズが09年に始まって以来、トップが32位という最悪の成績に終わった。

 選手の意識は「世界」より「日本」。アジア大会(8月)の代表選考がかかわることもあり、小田倉は「何としても日本人トップになりたかった」。古谷も「(日本人)2位が死守できてよかった」。

 世界のトップに競りかけている女子に対し、男子の低迷は深刻。小田倉は「世界のレベルが上がり、置いていかれている」と危機感たっぷりに話した。

 東京五輪に向けて、男子はカナダ出身のパトリック・ケリーコーチが昨年から指導。ナショナルチームでの活動を増やし、強化を進めている。「練習の質が高くなった。着実にレベルアップしている」と古谷は話した。

 東京五輪の目標は、女子の「メダル獲得」に対して「入賞」。しかし、それも現状では厳しい。日本トライアスロン連合(JTU)五輪対策チームの中山俊行リーダー(56)は「これが男子の今の力。世界と戦うには、もっともっと強化しないと」と話した。

 女子は08年北京五輪で井出樹里が5位になり、16年には上田藍が世界ランク3位。今季も世界シリーズ2戦目までで佐藤優香がランク4位、高橋侑子が同5位と東京五輪のメダルに手が届くところに来ている。しかし、男子は入賞も見えてこない。開催国として2人の出場が約束されているとはいえ、今のままでは「出るだけ」で終わる可能性も十分にある。