女子の第一人者の野口啓代(29)と野中生萌(みほう、21=TEAM au)が予選の課題を全て完登(かんとう)し、ともに首位で準決勝進出を決めた。

 午前9時開始の予選、最初の組に、野口と野中がそれぞれ登場した。今季W杯第3、第4戦を制した野口は、第1、第2課題でスラブ(傾斜の緩い壁)にてこずるも2トライ目で完登。「朝早すぎて集中し切れていなかった。スラブは元々苦手でもあるので、万全じゃないと(1トライ目で)登り切るのは難しかった」。第3課題以降は全て一撃(1トライ目で完登すること)し圧倒的な強さを見せつけた。午前9時からの予選開始に向け、午前5時半に起床。「いつものW杯は男子の予選からなので、男子の予選を見て気持ちを入れてから予選に入っていた。普段こんなに早いのに慣れていない」と苦笑い。第1、第2課題で落ちたときには、『目の前の課題に集中しよう』と切り替え、「第3課題からは集中できた」とうなずいた。

 今季W杯開幕戦で優勝した野中は、第1課題から3課題連続で一撃。第4、第5課題で2トライを重ねたものの、全ての課題を完登した。5月29日に発熱に見舞われ、今ものどと鼻に違和感がある中で大会の開幕を迎えた。「登っている途中も呼吸が気になるし、集中欠きそうになる。けれど、これを理由に負けたくないので120%出して頑張ります」と持ち前の明るさで頼もしく宣言した。

 ほか、ファニー・ジベール(25=フランス)、カーチャ・カディッチ(=スロベニア)も首位で通過した。