初のB1制覇を目指す東地区の秋田ノーザンハピネッツが、アウェーでの開幕戦を白星で飾った。今季昇格した信州ブレイブウォリアーズに80-55で大勝。昨季1試合平均21・1得点のキーナン(群馬)が抜け、外国人選手2人もコロナ禍でチームに合流できない中、中山拓哉新主将(26)、野本健吾(28)らが若手をリードし、白星発進となった。4日、同所で第2戦が行われる。

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ハピネッツが新たなスタートを切った。B1昇格初戦で盛り上がるアウェー長野の地で、激戦の東地区でもまれてきた底力を見せつけた。序盤から、リーグ屈指と言われる激しいディフェンスでリズムを作ると、第1Qは23-12と主導権を握った。第2Qは不用意なファウルが目立ち、シュートも正確性を欠いて6点差まで詰め寄られた。しかし第3Qでは、大浦颯太(22)、長谷川暢(23)ら若手が要所で3Pを決め、リードを広げた。

会見の冒頭で前田顕蔵ヘッドコーチ(38)は「こうしてリーグを再開できたことをうれしく思いますし、関係者の方々に感謝したい」と昨季はコロナ禍でシーズン途中で打ち切りとなっただけに、率直な喜びを口にした。しかし試合内容には「シュートの正確性と推進力にはまだまだ問題がある。毎試合成長していかないといけないので」と納得していなかった。

チーム始動時に今季の目標を「日本一」に掲げた。11得点8リバウンドと奮闘した野本は「毎日の練習からスタンダード(基準)の質を上げていかないとてっぺんを取れない。外国人であろうと日本人であろうと、相手に関係なく圧倒していかないとやられてしまう」と決意をにじませる。中山主将は第2Qの失速について「今季は波をなくすことが大事。全部アグレッシブにいってしまうと今日みたいなファウルになってしまう。より頭を使わなきゃいけない」と攻守でバージョンアップを目指す。

昨季は強豪ひしめく東地区で19勝22敗の5位に終わったが、宇都宮ブレックス、アルバルク東京、サンロッカーズ渋谷など上位陣にも勝利した。しかし一方で取りこぼしもあった。中山主将は「東地区はみんな強いので勝ったからいいではなく、内容を突き詰めていかなきゃいけない」と、大勝発進にも満足せず、4日の第2戦に、気持ちを切り替えた。【野上伸悟】