バラバラの靴をそろえたい-。フィギュアスケートで19年全日本ジュニア女王の河辺愛菜(16=木下アカデミー)が15日、クラウドファンディングを開始した。

シニア1年目の今季は全日本選手権6位。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を武器に、22年北京五輪出場を目指している。

現在は木下グループからレッスン料などの支援を受け「スケートに打ち込むことができています」と感謝は尽きない。一方、一般的に世界のトップを目指す選手は遠征費、衣装、振り付け、道具など、年間約1000万円の費用がかかると言われている。

中1の終わりから母、弟と共に地元の名古屋を離れ、京都で練習を積む河辺は現在、左右別のモデルのスケート靴を履いているという。

「見た目は変わってしまいますが、いろいろな靴を試し、トリプルアクセルが最も跳びやすいものを選んだ結果、違うモデルの靴を履くことに落ち着きました。1つは8万円。もう片方は10万円。これに加えてブレード(刃)を付けるため、各9万円がかかっています」

靴はオーダーメードではなく、既製品。スケート靴には寿命があり「他の選手と比べて2倍の靴代がかかってしまうだけでなく、次にそれぞれの靴を買い替えた時に、同じ感覚で滑れるものに出会えるとは限りません。美しさが求められる競技でもあるので、左右同じ靴の方が見た目としてもいいとも思っています」と素直な思いを明かした。

資金はオーダーメードのスケート靴代にあてるといい、22年北京五輪に向けた活動資金等にも活用予定。河辺は「究極の靴を手にすることができたら、皆さんの思いをスケート靴に背負って、世界の舞台でともに戦いたいと思っています。そしてご支援いただいた皆さんに感謝と感動を表現したいと思います」と誓った。