日本代表が、4年に1度だけ結成される全英・アイルランド代表ライオンズと敵地で歴史的初対戦を果たした。

開始から4連続トライを浴びて敗れたが、28点を追う後半10分に23年ワールドカップ(W杯)フランス大会の主軸として期待されるSH斎藤直人(23=サントリー)が、北半球最強のオールスター軍団を相手に初キャップを記録。英国系4協会の選抜チームにもひるむことなく、軽快な球出しとスコットランドの聖地マレーフィールドに響き渡る声で、後半だけ見れば10-7で上回る巻き返しの原動力となった。

試合後は、日本ラグビー協会を通じて「これまで経験したことのない気持ちを味わうことができた」などとコメントした。

「今日は試合前から興奮しており、会場に到着してから、その興奮がさらに高まった。試合は楽しむことができた。会場やお客さんの雰囲気など、自分にとって初めてのテストマッチであり、これまで経験したことのない気持ちを味わうことができた。今日はチームが前に出てくれたので、かなりテンポを上げて相手のディフェンスにアタックしながら、プレッシャーをかけることができた。来週に向け、チームに求められていることをしっかり遂行できるよう、また楽しめるよう、準備していきたい」

斎藤は19年度の全国大学ラグビー選手権で、主将として早大を11季ぶりの日本一に導いたSH。新生日本の初陣に際し初選出され、この日は19年ワールドカップ(W杯)日本大会メンバーだった茂野海人(30=トヨタ自動車)に代わってピッチに立った。

ライオンズはイングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドからトップ選手を集めたドリームチーム。1888年の結成から133年もの歴史を誇る。今年は南アフリカ遠征を控え、そのテストマッチ初戦に日本を指名した。一昨年W杯の初ベスト8で列島を沸かせた桜軍団にとっては、その準々決勝以来となる試合。2年後のW杯へ、歴史的一戦で再出発した中で若い力も躍動した。【木下淳】