アメリカン・カンファレンス(AFC)のチーフスが、終了間際に同点に追いつき、オーバータイム(延長)残り3秒の逆転劇で、2年連続4度目の優勝を果たした。 スーパーボウル2連覇は04、05年のペイトリオッツ以来19季ぶりの快挙。2TDパスを決めたQBパトリック・マホームズが2大会連続3度目の最優秀選手(MVP)に選ばれた。
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チーフス | 25 | 0 1Q 3 3 2Q 7 10 3Q 0 6 4Q 9 6 OT 3 | 22 | 49ers |
◆試合経過
第1Q
・チーフスのキック、49ersのレシーブで試合開始。
・残り12分15秒 49ersのエースRBマカフリーがランで前進したが、相手のタックルを受けてまさかのファンブル。チーフスのDLカーラフティスがリカバーして、ターンオーバー。攻撃権が交代した
・残り3分53秒 チーフスは自陣11ヤードから2度目の攻撃シリーズ。RBパチェコの10ヤードランでファーストダウン獲得。しかしその後はQBマホームズがQBサックを浴びるなど進めずにパントであっさりと攻撃を終了。49ersの厳しい守備に、前進を阻まれた
・第1Q終了 49ersは、QBパーディのパスなど攻撃を進めるが、自軍のファウルでリズムを失って無得点。チーフスはQBマホームズが相手のラッシュを浴びて、思うように攻撃できなかった。49ersがやや優勢に試合を進めたが、両軍無得点のまま、第1Qを終了した
第2Q
・残り14分48秒 49ersは、QBパーディが40ヤード超のロングパスで、エンドゾーン内のWRサミュエルを狙ったが、チーフスのDBマクダフィが右手ではじきだしてタッチダウンを阻止。49ersは、第4ダウンで55ヤードのフィールドゴールを選択。Kムーディが見事に決めて先制した。49ers3-0チーフス
・残り11分59秒 チーフスはQBマホームズが自陣から50ヤード近くのパスを通して敵陣9ヤードまで前進。この超ロングパスに、TEケルシーの恋人であるテイラー・スウィフトも大喜び。しかしTDを狙う攻撃で、RBパチェコが痛恨のファンブル。相手のリカバーされて、攻撃権を失った
・残り9分16秒 49ersのLBグリーンロウが、サイドラインからフィールドに飛び出していくタイミングで転倒。左膝を痛めたそぶりを見せた。その後はカートに乗って、スタジアム内へ。プレー以内の場面で転倒して負傷するという珍しい状況となった
・残り4分23秒 49ersが敵陣21ヤード付近からのスペシャルプレーでタッチダウンを奪った。QBパーディが、左横にいたWRジェニングスにパス。受けたジェニングスが逆の右サイドで待っていたRBマカフリーに再びパスを通した。キャッチしたマカフリーがそのままエンドゾーンまで走りきった。両軍通じて最初のTD。キックも成功した。49ers10ー0チーフス
・残り20秒 残り2分から49ersのQBマホームズが短いパスを成功させてファーストダウンを次々と更新。ゴール前9ヤードに迫った。しかし第3ダウン、残り5ヤードでマホームズが相手の守備につかまってTDは奪えず。KバッカーがFGを決めて3点を返した。49ers10ー3チーフス
・第2Q終了 49ersが7点をリードして前半を終了した。QBパーディはオフェンスライン(OL)に守られてポケット内で十分な時間を確保。パスを通して攻撃をけん引した。またディフェンスライン(DL)は、チーフスのOLとのライン戦を優位に進めて、QBマホームズを自由にさせなかった。チーフスはRBパチェコのランは出ているが、マホームズは十分な態勢でパスを投げることが少なく、攻撃のリズムを欠いた。守備ではDBスニードが相手の頭を左手でたたいて15ヤードの罰退→相手のTDにつながるなど、チグハグさがあった
第3Q
・49ersのキック、チーフスのレシーブで後半開始
・残り13分30秒 チーフスQBマホームズがインターセプトを許した。自陣からの攻撃で、TEケルシーがいるところへのパスが中途半端に浮いて、敵陣側にそれた。49ersのDBジョンソンがパスをつかんで、ターンオーバー。攻撃権の交代を許した
・残り9分10秒 49ersは自陣36ヤードからの攻撃。3度の攻撃でファーストダウンを奪えず、パントとなった。3度目の攻撃では、WRサミュエルがマークを外そうと急な方向転換をした際に、左太もも裏をおさえて倒れた。49ersは第2QのLBグリーンロウに続いて、2人目のアクシデント発生となった
・残り5分1秒 チーフスQBマホームズが、自らのランでファーストダウンを2度更新。久しぶりの反撃に、テイラー・スウィフトも興奮気味。49ersの守備陣にさらなる前進は阻まれたが、リードHCは57ヤードのFGを選択。Kバッカーが超ロングキックを低い弾道で成功させて3点を返した。49ers10ー6チーフス
・残り2分28秒 チーフスが相手のミスを逃さずに逆転した。自陣からのパントが49ers選手の足にあたってこぼれた。それをチーフスの選手が拾って、一気にゴール前16ヤードでの攻撃となった。QBマホームズが、1発でWRスキャットリングへのパスを通してTD獲得。キックも成功した。テイラー・スウィフトも周囲の人と抱き合って喜んだ。49ers10ー13チーフス
・第3Q終了 チーフスが試合巧者ぶりを見せて逆転した。マホームズが苦しみながらも、武器であるスクランブルもまじえて粘り強く前進。FGと相手のミスを逃さないTDで逆転した。49ersのQBパーディはハーフタイムに修正を施した相手の守備陣に苦しめられて、ファーストダウンをとれずに攻撃権を失うシリーズが増えた
第4Q
・残り11分22秒 49ersが、再びリードした。ゴール前14ヤードまで攻め込み、ファーストダウンまで残り3ヤードの第4ダウンでギャンブルを選択。QBパーディが短いパスを通してダウンを更新。続く攻撃で、WRジェニングスにTDパスを通した。ジェニングスも相手のタックルに耐えてエンドゾーンに入った。これで逆転となったが、直後のキックは相手DFにブロックされて失敗した。49ers16ー13チーフス
・残り5分46秒 チーフスが同点に追いついた。QBマホームズがTEケルシーとのホットラインで、ゴール前4ヤードまで攻め込んだ。しかしTDまで残り4ヤードからの攻撃3回は、相手守備陣の粘りにあってTDは奪えず。KバッカーがFGを確実に決めて3点を獲得した。49ers16ー16チーフス
・残り1分53秒 49ersが、Kムーディの53ヤードFGでリードした。ムーディはルーキーのキッカーで第1Qには55ヤードの先制FGを成功させている。ただ1分53秒を残して攻撃権はチーフスにうつった。49ers19ー16チーフス
・残り3秒 チーフスが残り1分53秒、自陣25ヤードから逆転TDを狙う攻撃となった。QBマホームズがTEケルシーらにパスを通して、ファーストダウンを更新。敵陣に攻め込んだ。残り9秒で、マホームズ-ケルシーのホットラインが発動。スウィフトも声援を送った。残り10秒で、ゴール前11ヤードの状況。最初の攻撃は逆転TDを狙って、エンドゾーン内のケルシーにパスしたが、不成功。残り6秒となって、Kバッカーが出てきて、29ヤードFGに成功。残り3秒で同点とした。49ers19-19チーフス
・第4Q終了 両軍が点を取り合って、19ー19の同点。前半は49ers、後半はチーフスが優勢だった。頂点を争うシーソーゲームは決着がつかず、オーバータイムに突入した
オーバータイム
・チーフスのキック、49ersのレシーブでOT開始
・残り7分22秒 49ersが先に攻撃した。最初の攻撃でファーストダウンを逃したかに思われたが、相手の反則があってオートマチックファーストダウン。九死に一生を得ると、QBパーディが攻撃を率いて前進。RBマカフリーのランアフターキャッチでFG圏内に入った。TDは奪えなかったが、Kムーディが27ヤードのFGを確実に成功させた。49ers22-19チーフス
・残り3秒 最低3点が必要なチーフス。残り7分22秒、自陣25ヤードからの攻撃はQBマホームズに託された。最初の攻撃でいきなりファーストダウンまで残り1ヤードの第4ダウンギャンブル。ここはマホームズが自ら走ってダウン更新。さらにマホームズは自らのスクランブルで、ゴール前14ヤードまで迫った。最後もマホームズがWRハードマンにTDパスを通した。オーバータイム残り3秒で、劇的な優勝TDとなった。49ers22ー25チーフス
・OT終了 オーバータイムに突入した死闘は、両軍1回ずつの攻撃で49ersがFG3点、チーフスがTD5点を獲得して決着。チーフスは2年連続4度目の優勝を果たした。
試合前
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■史上最多に並ぶチーム6度目の制覇が懸かるフォーティナイナーズ(49ers)と2連覇を狙うチーフスが対戦。ハーフタイムショーには世界的なR&B歌手アッシャーが出演。ラスベガスでは初の開催となる。
アメリカン・カンファレンス(AFC)のチーフスは、最近5季で4度目の出場。大黒柱のQBマホームズが、世界的な歌手テイラー・スウィフトの恋人であるTEケルシーとのホットラインで勝負する。
ナショナル・カンファレンス(NFC)の49ersは、勝てば95年以来29年ぶりのVとなる。20年は、チーフスに10点リードから逆転負けしており、雪辱を狙う。QBパーディは22年ドラフト最下位となる全体262番目指名。例年、ドラフト最下位は「ミスター・イレレバント(見当違い)」と呼ばれるが、2季目で大活躍。リーグ1位のラン獲得距離を誇るRBマカフリーと、相手守備を突き崩す。
■昨年は、AFC王者カンザスシティー・チーフスが、NFC王者フィラデルフィア・イーグルスとの大激戦を制し3年ぶり3度目の優勝を決めた。QBパトリック・マホームズがここ4季で2度目のNFL制覇にチームを導いた。第4Q、35-35の同点から残り8秒で、K・ブッカーがフィールドゴールを決めて勝負を決めた。マホームズの父パットさんはプロ野球の横浜(現DeNA)にも所属した投手。そのDNAを引き継ぐ強肩がこの日も輝いた。レギュラーシーズンではパスでリーグ最多の41TD、獲得距離5250ヤードを記録し、文句なしの最優秀選手(MVP)に輝いた。スーパーボウルに挑んだMVP受賞者は1999年を最後に9連敗中だったが、ジンクスをものともしなかった。