国際オリンピック委員会(IOC)は2日、今夏のパリ五輪で結成する難民選手団としてアフガニスタンやシリアなど11カ国から過去最多の36選手が12競技で出場すると発表した。2021年東京五輪の自転車女子に同選手団の一員として出場したアフガニスタン出身のマソマハ・アリザダが団長を務める。表彰式では国歌の代わりに五輪賛歌を使う。

戦争などの影響により世界で難民が1億人を突破している。選手団結成についてIOCのバッハ会長は「素晴らしい瞬間だ。難民選手団は希望の象徴となる」と語った。赤いハートが中心にあるエンブレムを作成し、パリ五輪では選手団のユニホームにあしらわれる。

IOCは16年リオデジャネイロ五輪で難民選手団を初めて結成して3競技の10選手が特別参加。新型コロナウイルスの影響で1年延期された21年東京五輪では12競技の29選手が参加した。

26年夏季ユース五輪(セネガル)でも結成を計画している。

◆五輪難民選手団 国際オリンピック委員会(IOC)が初の試みとして2016年リオデジャネイロ五輪で特別参加を認めた。現在は財団を設け、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や資金拠出を申し出たカタール・オリンピック委員会と協力して支援事業を展開。東京五輪の開会式では五輪旗を掲げ、先頭のギリシャに次ぐ2番目に行進した。