いつか私たちも五輪へ-。23歳の佐藤灯(あかり)、18歳の田口真彩(まや)組(ACT SAIKYO)が2試合連続でストレート勝利を収め、4回戦に進出した。日本代表でトップのAに続くB代表の佐藤は、22年全日本総合選手権で混合ダブルス3位の実力者。田口は23年世界ジュニア選手権で女子ダブルスを制した。今大会の混合ダブルスには、オリンピック(五輪)2大会連続銅メダルの渡辺勇大(27)とのペアで臨んでいることでも注目されている。
2人は昨年11月のS/Jリーグ開幕からペアを組んでいる。5歳差コンビは切磋琢磨(せっさたくま)しながら、国内外での活躍を目指している。
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2人とも今夏のパリ五輪を目に焼き付けた。日本勢では女子ダブルスの志田千陽(27)松山奈未(26)組、混合ダブルスの渡辺、東野有紗(28)組がともに銅メダルをつかんだ。
佐藤は中継を見ながら「強い選手が多いので、私は研究のつもりで見ていました」と学びを得ようとしていた。中にはなかなか本来の力を発揮できていない選手もいる。田口は「4年後にあの舞台に立てるのかなと考えると、今のレベルでは難しいと思いました。五輪は(いつもの)メンタルを保つことが難しい大会だと感じました」と未来の自分と重ね合わせていた。同時に決意も湧き上がった。
「4年後、8年後に五輪の舞台に立てるように本気で頑張りたいと思いました」
2人の武器は「スピード」と声をそろえる。佐藤は西大輝(龍谷大)との混合ダブルスで国際大会にも出場しており「ミックス(混合)は女子ダブルスよりもスピードが速い」と言う。田口は「読みのはやさ」がスピード感のある攻撃につながっていると語り「相手がどこに返球してくるのかを読み取るのがはやいから『動きが速い』と言われるのかな。意識していたわけではなく、勝手に身についた」と説く。
明るい関係性も強みだろう。田口は「あまり前を見ていないことが多くて、今日もコートへ移動する時にいろいろ蹴っちゃったり、つまずいちゃったりして、どんくさいところが多くて…」と打ち明けると、佐藤も「おちゃめで無邪気さがある。忘れ物もちょっと多い」と素顔の一端を明かした。取材中も視線を合わせながら、何度もほほ笑み合う。田口が言葉に詰まると、佐藤が笑顔でツッコミを入れる。5学年の差をあまり感じさせない連携は、コート外でも垣間見えた。
課題も感じている。ともに素早いプレーは得意とするが、「ゆっくりなパターンは苦手」と受け止める。田口が「もっと緩急があれば、よりよいダブルスになる」と言えば、佐藤も「トップの選手は強弱やディフェンスがうまいので、その強弱のつけ方がもっとうまくならないと上にはいけない」とうなずく。
小宮山元監督が「まだまだ試行錯誤をしているところ」と語るように、種目やペアの適性を見極めている段階でもあるという。ただ、ともに見据えているのは、より高いステージでの躍動。「海外」「世界」といったフレーズは自然と言葉になった。
「今年から国際大会に出始めたんですけど、海外では自分たちのプレーができない時があったり、海外選手に強さを思い知ったりもした。今年は全日本総合でも上位を狙って、国際大会でもランキングをどんどん上げたい。ミックスダブルスでもダブルスでも結果が出れば、一番良いなと思います」(佐藤)
「どんな選手とやっても強みを出せるようにしたい。灯さんとのダブルスももっとレベルアップして、国内でも国際大会でも勝ち続けられるペアになりたい。ディフェンス力があって(相手に)決められないダブルスが世界のトップで強いと思うので、ディフェンス力も上げていきたいです」(田口)
ロサンゼルス五輪まで4年。画面越しで眺めていた舞台へ立つための日々は、すでに始まっている。【藤塚大輔】


