開幕2連勝の日本代表や、オールブラックスの愛称を持つニュージーランド代表の髪形を支える理容室が東京・神田にある。「THE BARBA TOKYO」はSO田村優(30=キヤノン)ら、日本代表の多くの選手の髪を切る。

オールブラックスに至っては、ボディーガードらのスタッフを含め35人も切った。なぜトップ選手たちが神田に集まるのか。オーナーでスタイリストのTOMさん(37)に聞いた。

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オールブラックスの世話役「リエゾン」を務める元クボタのアンダーソン・ネーサンさんに、チーム全員の散髪を頼まれた。アンダーソンさんがクボタ時代にBARBAに通っていたのが縁となった。TOMさんは「選手が気に入ってくれたみたいで」と笑顔。「『来年もお願いします』と正式に依頼されました」と明かした。9月19日の営業後に全員の髪を切った。

「髪を切るというのは距離が近いのでストレスがかかるんです。知っているところで切ることで大会中のストレスをなるべく少なくするという狙いがあるみたいです」。王者のきめ細かな準備に驚いたという。

世界最強軍団の素顔は「とにかく紳士」。「アーロン・スミス選手も『すぐにでも切りに行きたいよ』とか言ってくれるし。主将のキーラン・リード選手も『今までで最高の髪形だ』と言ってくれた。こんな名誉なことないですよね」と話す。スミスからは、代表ユニホームやW杯公式球をプレゼントされた。試合で使用した本物で、全選手のサイン入りだ。「家宝です」と目を輝かせた。