日本全体で「ONE TEAM」だ! ラグビー日本代表(世界ランキング8位)は5日、ワールドカップ(W杯)日本大会1次リーグ第3戦で同15位サモアと戦う。

4日は会場の愛知・豊田スタジアムで最終調整した。ピッチ外ではファンがチームソング「ビクトリーロード」を同戦で歌おうとSNS上で提案。15年W杯日本代表の広瀬俊朗氏(37)らも呼びかけ、大きなうねりを生んでいる。初の8強へ、開催国の結束が3連勝を後押しする。

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世界を驚かせたアイルランド戦の余韻は、どこかへ飛んでいた。本番会場での最終調整。日本代表は1つの塊となり、ピッチに入った。黙々と体を温め、サモア戦の戦術などを確認。そこにスローガンの「ONE TEAM」がにじんだ。

日を追うごとに強まる結束は、チームの外にも波及した。開幕のロシア戦勝利後、代表がロッカー室で歌ったチームソング「ビクトリーロード」。この日、4年前のW杯で出場機会がなく、陰で仲間を支え続けた広瀬氏が一肌脱いだ。自身のツイッターに「この歌を豊田スタジアムで歌おうという企画があります」と投稿。今春の日本代表候補に名を連ねたCTB立川理道(29=クボタ)が「僕も会場にいますので、みんなで歌いましょう」と賛同するなど、ファンによってSNS上で考案されていた企画が、爆発的に広まった。

広瀬氏 選手が作った歌で、ファンの方も入り込みやすいと思う。ガンガン乗っていってほしいです。

チームソングの誕生は、今年2月の代表候補合宿だった。外国出身も多いメンバーを1つにしようと、山本幸輝(28=ヤマハ発動機)と三上正貴(31=東芝)の両プロップが選曲。映画「耳をすませば」の主題歌「カントリーロード」の歌詞を、代表の歩みに置き換えた。W杯メンバー31人から落選した2人も、サモア戦での大合唱に賛同した。

ラグビーの母国イングランドには、観客が自然発生的に口ずさむ歌がある。広瀬氏は「海外の人が試合中に歌を歌うのが、単純にうらやましかった。そういうのが今回できなくて『残念だ』と思っていた時に、こういう動きがあってうれしい」と目を輝かせる。目標の8強へ、勝利と4トライ以上のボーナスポイント獲得を目指す一戦。1人1人の歌声は、必ずやチームの推進力になる。【松本航】

◆「ビクトリーロード」の歌詞 ビクトリーロード、この道、ずっと、行けば、最後は、笑える日が、来るのさ、ビクトリーロード

◆イングランド代表の応援歌 観客が自然発生的に歌う「スウィング・ロウ・スイート・チャリオット」が世界的に有名。ラグビーの聖地とされる同国のトゥイッケナム競技場は8万2000人収容。昨秋に日本が同地でイングランドと戦った際には、8万1151人が駆けつけた。ファンの大合唱を耳にし、WTB福岡は「声が聞こえなくなる時もあり、ファンとの一体感がすごく、貴重な経験になった」と振り返った。