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第352回    二宮和也  
2003.03.02付紙面より


蜷川演出にこたえられるアイドル

 10代最後の昨夏、エリザベス女王から勲章までもらってしまう世界的演出家と、掛け替えのない時間を過ごした。5人グループ嵐のメンバー二宮和也(19)。舞台演出家の蜷川幸雄氏(67)が21年ぶりにメガホンをとった映画「青の炎」(15日公開)で主演を務めた。映画初挑戦のアイドルは、厳しい演出で知られる百戦錬磨の名将のもと、精かんな若武者になった。


怖くなかった

 「そのへんのクソガキじゃないんだから、そんなことしなくてもいいんだよ! 役者を甘やかせるな!」。うっとうしい梅雨空が続いた昨年6月下旬。東京・調布の日活撮影所のスタジオで、雨雲も吹き飛ばしそうな怒声が響いた。声の主は蜷川幸雄監督。俳優を「バカ!」「ブタ!」とののしり、灰皿や履いていた靴まで投げつける過激な演出で恐れられた男だ。2階建ての家の内部を再現したセットで、2週間前から始まった撮影を通して、初めて2階で芝居をすることになった二宮は、慣れないレイアウトに戸惑い、リハーサル中、動きがぎこちなかった。スタッフが気を利かせて二宮が動きやすいようにドアを開け閉めし、事細かに説明しようとした時だった。1階でモニター越しに見ていた蜷川監督の怒声が飛んだのだ。

 「シーンと静まり返りました。声がとおる人だからすごいんです。自分でも動きに違和感を感じてまし、そのシーンは自分でも納得してなかった。だから監督がスタッフを怒鳴っても、おれはまず自分の芝居を考えなきゃいけないと思ってました。怖かった? そりゃ、まあ(笑い)」。

 実は、その日までの2週間、蜷川監督はほとんど爆発≠オなかった。数年前から「過激な演出」こそ陰を潜めたが、ここという時には的確に来る。この日は、主人公が母や妹の身を守るため、金属バットを手に義父に襲い掛かるというシーン。映画の中で主人公が感情あらわにする数少ないシーンだった。

 撮影は再開したが、3回ほどNGが続いた後、再び1階から怒声が響いた。「殺すんだよ!」。ただでさえ大きな目をさらにギョロギョロさせて、今度は2階に上がってきた。金属バットを二宮の手からもぎ取って、自ら演じてみせた。「うりゃ〜!」。鬼気迫る表情とスタジオじゅうに響く怒声。迫力にスタッフも思わず後ずさりした。

 「(そのシーンは)感情を想像しにくかったのは事実です。監督の迫力には正直驚きましたが、おかげで集中力が増したし、感情も入っていけた」。

 蜷川監督はモニターのある1階に戻り、カメラを回す直前まで「殺せ! 殺せ!」と二宮に向けて怒鳴り続けた。二宮は刀を持たされた若武者のように、義父役の山本寛斎(58)に襲い掛かった。

 蜷川氏について聞いた。

 「第1印象? う〜ん、怖い人なんだろうなって思いましたよ。だって、仕事をしたことがない人まで怖いって言うんですよ。でも怒るから怖いっていうのは少し違うと思う。確かに理にかなっていないことでただ怒鳴っているのなら『このオジサン何言ってるの』ですけど、自分が確信できないことをズバッと言ってくれて、100%納得できるなら、それは怖い、ではないですよね。蜷川監督はまさにそういう感じでした。だから全然怖くなかった」。

 もう1つ感じたことがあった。俳優をキャリアで区別しないことだ。

 「変な言い方かも知れませんが『位(くらい)』をつけないんですよ。新人にはひたすら怒鳴り続け、ベテランにはほとんど何も言わないで『あとはよろしくお願いします』とだけ言う人もいますが、蜷川監督はみんなに同じように断片的に情報を伝え、あとは自由に動けるような状況を作ってくれる。何か認めてもらったような気持ちにもなりました。もちろん、調子に乗った時はガツンと言われましたけど(笑い)」。

 デビュー以来、ドラマも舞台も、そしてコンサートも数多く経験してきた。映画という新境地に足を踏み入れ、なおかつ偉大な演出家と時間を過ごした。

 「もっと(蜷川さんと)仕事がしたくなりました。役者にとって最善の環境をつくってくれる。それに、今回の撮影ではフレームに映る情景について説明はしてくれたけど、人間である俳優には細かく指示はしなかった。だからこそ自分なりに考えることが多く、芝居に対してどん欲になれた。この気持ちは忘れないようにしたいです」。


勝ち抜く宿命

 「世界の蜷川」を前に、緊張と充実の日々を送った二宮は、女子中高生たちを夢中にさせるアイドルタレントでもある。

 5人組のアイドルグループ嵐は、99年11月にCDデビューして以来、発売した曲はすべてヒットチャート上位に顔を出すなど、SMAP、TOKIO、KinKi Kids、V6などジャニーズ事務所の先輩グループに肉薄する活躍をみせている。

 アイドル。その響きからはなよっとした美男子をイメージする人も多いが、芸能界という競争社会で勝ち抜いていかなければならないという宿命を背負っている。13歳からジャニーズ事務所入りした二宮も、もちろんその例外ではない。

 「確かにアイドルであるわけで、競争社会であることは間違いないんですけど、あまり感じてないんですよね、これが。アイドルにもいろんなタイプがあると思うんです。常に前面に出て、あらゆることに自分のカラーを打ち出して、どの分野の仕事も自分色に染めていく人もいる。おれは違うんです。例えば、自分が映画の世界に行ったら、その世界に早く順応したい。音楽でも芝居でもバラエティーでも、自分を推すのではなくて、入っていった世界の中で、自分を出せたらいいなと思う。自分の色を作って、僕はこういう人間だから、こういう作品にしてほしい、ではなくてね。蜷川監督も前面に出てきて競争に打ち勝っていくというタイプのアイドルを想像していたみたいで、お会いした時は不思議な感じがしていたみたいですよ」。

 二宮本人はこう語るが、実は蜷川氏の見解は全く逆である。最近、NHKの番組に出演してこんな主旨のことを語った。「二宮君はもちろん、アイドルといわれる人は自分の立場を分かっている。その場所をなくす怖さを知っている。だから、セリフは徹夜しても覚えてくる。同じ年代の俳優さんたちより、はるかに厳しさを持っている」。

 世界の蜷川にそう言わしめるほど、アイドルであり続ける人々は、無意識の中に怖さ≠ヘ根付いているのである。


決意表明なし

 冷静に自分を見詰める反面、年代相応の悩みや熱い心も持つ。

 「毎日が同じに思えるのが嫌なんです。そういう過ごし方って嫌なんです。極端な話『今日は何日だっけ?』『今日は何曜日だっけ?』って人に聞くのも嫌なんです」。毎日が過密スケジュール。あっという間に時間が過ぎ、毎日が同じに見えるのも無理はない。

 「もっと自分で納得して仕事を終わらせればいいんでしょうけど、なあなあで終わりにしてしまうこともある。ダメですね。今、時代が冷めているから、おれたち10代も冷めているように見られるかも知れませんが、やっぱり世代的には1番熱い世代だし、共通のものでみんな笑ったり、怒ったり、泣いたり、悔しがったり、感動したりとかする。今の大人たちの10代の時を知らないけど、きっと同じだったはずです」。

 神奈川・鎌倉ロケを行った「青の炎」の撮影では同年代のタレントたちと多くの時間を過ごした。結束や感動する心を大事にした。

 「みんな朝3時半集合とかでも、眠いなんて一言も言わない。早朝の海を皆で一緒に見て、きれいだね、気持ちいいねっていう感情を共有できたことは感動しました。作品で感動してもらうためには、自分もまず何かに感動しなきゃいけないと思う。そうしないと感動の原動力がたまっていかないっていうか、どこかで給油しないとガソリンが切れちゃうというか。そういう状態で自分がいられれば、きっと人も感動させられると思うんです」。

 6月に20歳になる。

 「決意表明はしません。年齢は20歳かも知れませんが、頭の中や体はそうなっていないから、そこで変なこと言っちゃうと後々合わせなきゃいけなくなりますから(笑い)。勉強じゃないですけど、今年はいろんな作品を見て感動したい。それが、感動してもらう原動力になると思うから」。


繊細さと優れた技術…稀有な才能

 蜷川幸雄氏 金属バットで義父に殴り掛かるシーンを撮影した日、実は休憩時間に実生活の経験として友人との関係で怒りにかられたことがあると聞いた。そう話してくれた二宮君は内在する怒りに火が付いた状態になっていた。ところが撮影に入るとスタッフが、俳優が燃えている状態にもかかわらず、丁寧なタレント扱いしているのを見て怒鳴りつけた。せっかくの状態を台無しにしたからだ。感情の沸騰点をここまで出せ、という意味でバットを握って演じてみせた。怒りの分量をはかってみせた。それを見た二宮君は自分に内在しているものすべて拾い上げてみせた。二宮君は現在の若者が置かれている状態を、繊細さと優れた技術で表現できる稀有(けう)な才能がある。ナイーブさと自己主張をきちっと持っている頑固さ、その2つが混ざり合っている。どんなつらい状態でも自分を保持している頭の良さ、利口さがある。

◆蜷川氏が演出したアイドルたち

 ▼木村拓哉(SMAP) 89年「盲導犬」
 ▼岡本健一、高橋和也(男闘呼組) 90年「ペール・ギュント」
 ▼東山紀之、錦織一清、植草克秀(少年隊) 90年「MASK仮面」
 ▼藤原竜也 97年「身毒丸」


 ◆二宮和也(にのみや・かずなり) 本名同じ。1983年(昭和58年)6月17日、東京生まれ。96年にジャニーズ事務所入り。97年「Stand by Me」で初舞台。98年TBS系ドラマ「天城越え」で俳優デビュー。99年4月テレビ朝日系「あぶない放課後」でドラマ初主演。以後「涙をふいて」「真夜中の嵐」「ハンドク!」「熱烈的中華飯店」などのドラマに出演。99年9月、相葉雅紀、松本潤、大野智、桜井翔とアイドルグループ「嵐」を結成をハワイで発表。同11月に「A・RA・SHI」でCDデビュー。身長168 センチ 。血液型A。


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(取材・松田秀彦
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