大量点を奪い合うスリリングな試合を、日本がチームワークで制す-。

98年長野五輪日本代表スキップの敦賀信人氏(44)が、決勝戦を占った。ともに攻撃的なだけに、序盤からカーリングの魅力が詰まった激戦は必至。実力は拮抗(きっこう)するだけにリラックスして臨める日本に勝機があるとした。

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決勝戦は、カーリングの魅力が十分伝わる試合になる。英国はオフェンシブな戦い方をするチーム。ハウスに石をためて、大量点を狙ってくる。対する日本も攻撃的。同じようにハウスに石をためる展開を狙う。準決勝の英国は第1Eに4失点し、第2Eで3点を奪い返した。序盤から、激しい点の奪い合いになる。

スイスにいい勝ち方をした日本には、勢いがある。敗戦からわずか1日で立て直したのはさすが。時間が空いたことで、選手同士でコミュニケーションがとれたのだろう。何が悪くて、どうしたらいいか。話し合いが十分できたことが、勝利につながった。日本を支えているのは、選手間のコミュニケーション。決勝まで中1日あくことは、日本にとっては有利になる。

ここまでの4選手の状態を見てみよう。リードの吉田夕は安定感が抜群。氷の対応力が素晴らしく、ショットにズレもない。セカンドの鈴木も安定している。スイープも含め、2人は今五輪でも屈指といえる。サードの吉田知は、少し力が入った場面もあった。もっとも、準決勝は素晴らしかった。問題はメンタルだから、次はリラックスして本来の力が出せるだろう。

前3人は英国よりも強いはず。あとはスキップ。ミュアヘッドはジュニア時代から経験が豊富で、実力もある。ただ、ジュニアの頃から活躍している藤沢も負けてはいない。ミスをするのは、力が入った方。重圧があるはずの英国に対し、過去最高のメダルを決めた日本は失う物がない。気楽に戦える分、日本の方が有利になるのではないか。

日本が準決勝第5Eの4得点で試合を有利にしたように、どう折り返すかがカギ。特に第3、4、6Eはビッグエンドになる傾向があるから、そこをどう取るか。リスクをとって攻める時には、スチールされることもある。そこのダメージをどう抑えるか。目が離せない決勝戦になる。

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