18年平昌五輪銀メダルの宇野昌磨(24=トヨタ自動車)が、指導を受けるステファン・ランビエル・コーチ(36)の北京入りを願った。この日、同コーチが自身のSNSを更新し、拠点のスイスから中国へ向かう前に新型コロナウイルスの陽性反応が出たことを報告。最新の検査では陰性だったといい「あと数日、自主隔離してから北京へ向かいたい」などと投稿していた。

宇野は会場の首都体育館での初練習を終えると、素直な思いをこう明かした。

「3日前ぐらいに聞きました。みんなすごく僕に気を使うというのを感じるんですが、もちろん居てくれることに心強さは感じますし、ステファン・コーチがいると『試合だな』というのが僕の中である。五輪に限らず、選手もその1つの大会に向けて最善を尽くし、努力して、よりいい演技をしようとします。コーチもそれは一緒。選手が大会に懸ける思い、コーチが大会に懸ける思い。優劣はないと思うので、選手が試合に出られないぐらい、本人が悔しい気持ちがあると思う。一刻も早く、どうにか乗り越えて、無事に来られることを願っています」

ランビエル・コーチ不在の練習では、トーループ、サルコー、ループ、フリップと4種類の4回転ジャンプを着氷させた。

「不安っていうのはないけれど、練習からほとんど1人で練習している。不安とは違うけれど『どうなるのかな?』っていう単純な疑問がある。『試合=ステファン』と僕の中でなっているので、自分の中で『試合』っていう感覚に切り替わるのが遅いんじゃないかというのはあります。どうなるのかは自分では分からない。練習通りができて逆にいいかもしれないし、なってみないと分からない。この大会は他の大会とは違って長期間ではあるので、その時に感じたことをまた話していきたいと思います」

宇野は1日1日、目の前のことに向き合い、やるべきことを積み重ねていく。【松本航】