リオデジャネイロ・パラリンピック男子走り幅跳び(切断などT42)金メダルのハインリッヒ・ポポフ(34=ドイツ)、銀メダルの山本篤(35=新日本住設)、今年7月の世界パラ陸上選手権同種目銅メダルのレオン・シェーファー(20=ドイツ)が講師を務める下肢切断者向けのランニングクリニックが4日、都内の東大本郷キャンパスで2日間の日程で始まった。

 東大スポーツ先端科学研究拠点が主催、総合医療福祉機器を扱うオットーボック・ジャパンが共催したもので、15年、16年にオットーボック社が開催した初心者向けクリニック受講した男女18人が参加。リオ、今年の世界選手権女子100メートル、走り幅跳び代表(切断などT42)の前川楓(19=チームKAITEKI)、大西瞳(40=スタートラインTOKYO)の2人も汗を流した。

 初日は基本の反復だった。義足、健足を均等に使ってバランス良く走ることを目標に、正確で無駄のないフォームを身につけることを徹底。午前10時に始まったトレーニングは途中にバスケットボール、サッカーを織り交ぜながら午後4時すぎまで続いた。

 世界選手権走り幅跳び銀メダリストの前川は「私たちが普段、練習の最初に少しだけやるメニューだけで1日が終わりました。基本が大事だということですね。これからの練習に取り入れていきたいです」。ポポフから「将来性豊かな、貴重な才能」と評価される逸材も、大きな刺激を受けた様子だった。

 クリニックには参加者を指導しているトレーナーも参加。練習メニューの目的や効果などに関してポポフから指導を受けた。