世界ランク4位の日本が同5位の英国を53-46(12-9、14-11、13-13、14-13)で破って優勝を飾った。高い決定力でトライを量産してチームを頂点に導いた池崎大輔(40)が大会MVBPに輝いた。

 第1ピリオド(P)、先制トライを挙げた池崎が、その後も6本続けてトライをマークして日本は主導権を握った。池透暢主将(37)の効果的なロングパに池崎、島川慎一(43)が世界トップクラスのスピードで反応する。第3Pには池から池崎、乗松聖矢(28)と流れるような連続パスが決まってトライ。守ってもハードタックルとタイトなマークで英国の攻撃を抑え込み、最終第4Pだけでターンオーバー3つを記録した。英国とは出場4カ国2回戦総当たりの1次リーグで1点差負け、3点差勝ちの1勝1敗。3度目の対戦で1度もリードを許さない7点差の快勝で“決着”をつけた。

 「この大会はいろいろな選手を試すのが目的だったが、チームは確実に成長している」と米国人のケビン・オアー監督(49)。障害の軽い池崎、池、島川のポイントゲッターに、障害の重い守備的な選手をどうアレンジしてコートで戦う4人のライン(組み合わせ)のバリエーションを増やしていくかがオアー体制2年目の課題。乗松、ただ1人の女性選手である倉橋香衣(27)らが監督の期待に応えるように攻守両面で役割を果たせたのは大きな収穫だった。

 池は「選手に試合出場の機会が増えて、チーム内に競争が起こっている」と明かした。リオデジャネイロ・パラリンピックで銅メダルを獲得した日本は、20年東京での金メダルを目指している。「世界トップの米国、オーストラリアに勝つにはもっと努力が必要だ」とオアー監督はさらなるレベルアップを求めたが、今年の最大目標である8月の世界選手権(オーストラリア)へ弾みのつく優勝になったのは間違いない。

 日本の今大会の試合結果は以下の通り。

 <1次リーグ>▽24日 ○57-29スウェーデン(世界6位)、○47-45フランス(世界7位)

 ▽25日 ●50-51英国、○59-29スウェーデン

 ▽26日 ○52-41フランス、○48-45英国

 <決勝>▽27日 ○53-46英国