女子79キロ級で坂元智香(38=メディケアアライアンスあおぞら病院)が79キロの日本新記録をマークした。

坂元は1回目に70キロ、2回目に74キロを挙げると、最終試技で77キロに成功。自身が持っていた75キロの日本記録を更新し、東京パラリンピックの最低出場標準記録もクリアした。さらに記録に挑む特別試技で79キロまで記録を伸ばした。

大分県在住。新型コロナウイルスの影響で地元の練習拠点が閉鎖されるなど、バーベルを握れない日々が続いた。連盟の強化合宿にも参加できず、長い間オンラインでアドバイスを受けながら自宅でのトレーニングを強いられた。それだけに「ビックリしました。ここまでやり切れるとは思っていなかった」と驚きを隠さなかった。

1階級下の73キロ級の日本記録も持っている。女子重量級は国内の競技人口が少なく、世界とのレベル差も大きい。東京パラ出場は険しい道だが、「ウエートが増えて筋量も増えてきた。体のことを考えれば今の状態を維持していきたい」と79キロ級を主戦場にする。来年の東京を目指しながら、24年のパリ大会を見据えた強化を図っていく。

◆パラ・パワーリフティング 下肢に障がいを持つ選手が対象で、台上にあおむけになった状態でバーベルを押し上げて重量を競うベンチプレス競技。東京パラでは男女各10階級が行われる。最低出場標準記録をクリアし、国際パラリンピック委員会が指定する国際大会の成績が反映されるランキングで、来年6月までに上位8位以内に入れば出場権が得られる。