東京パラリンピックで金メダルが期待される女子WH1(車いす)の里見紗李奈(22=NTT都市開発)が3連覇を飾った。

5人出場の総当たりリーグ最終戦で、同じ3連勝の福家育美(35=ダイハツ)に2-0(21-8、21-5)で快勝。2日間4試合ストレート勝利で、合計8ゲームをすべて1桁失点に抑え込んだ。「勝ててホッとしています。4試合戦って、試合ってこうなんだと思い出せました」。

昨年の世界選手権を初出場で制し、東京パラ出場を争う世界ランキングでトップに立つ。昨年のこの大会以来の公式戦になったが、コートに立てなくても若き女王は進化を続けてきた。

新型コロナウイルスの影響で練習環境が制限される中、基礎体力の向上に取り組んだ。昨年までは週7日シャトルを打っていたが、今年は2日をトレーニングデーに設定。ベンチプレスやけんすい、チューブと使った負荷メニューで車いすをコントロールする力が格段に向上した。ベンチプレスの重量が20キロから37・5キロに増えたことがその証明だ。

福家との決勝も立ち上がりこそ緊張したが、「相手を見ろ」を自分に言い聞かせてプレーの精度が上がった。「バタバタしないで、落ち着いてできたのが自信になります」と、安定したチェアワークと長短織り交ぜた巧みな配球でベテランを封じ込んだ。

里見とのダブルスで東京パラランキング1位のWH2(車いす)山崎悠麻(32=NTT都市開発)も6連覇を達成した。来年夏には単複ダブル金メダルも視野に入る。「延期になってちょっ残念な気もしましたが、気持ちは来年に切り替わっています。十分練習時間をもらえたので、あとはパラリンピックにピークを合わせるだけですね」。里見は力強い言葉で締めくくった。【小堀泰男】