東京パラリンピック2冠の50歳は、ラーメン女子だった。自転車競技で金メダル2つを獲得した杉浦佳子(楽天ソシオビジネス、掛川市出身)が10日、同市役所で久保田崇市長(45)を表敬訪問した。掛川西高時代を振り返り、入学後にもらったバス定期代の一部でラーメンを食べてしまったという。「回数券しか買えなくなって、片道十数キロを自転車で通いました。(現在の健脚は)途中にあった上り坂のおかげです」。もしラーメンを食べずに、定期券でバス通学をしていたら、日本最年長金メダルの偉業はなかったかもしれない。

通学時に男子集団の後ろで風を避けていたことにも触れ、久保田市長は「当時からレース運びがうまかったんですね」とフォローし、周囲を笑わせた。杉浦は2冠の要因を聞かれ、「地元静岡での開催と、そこで練習できたのが大きい」。県民の応援にも「背中を押された」と感謝した。【倉橋徹也】