【大嶺祐太の野球人生】｢漁師しかなかった｣石垣島での未来が､一気に広がって／前編

ロッテ、中日で活躍した大嶺祐太さん(34)が昨年限りで現役引退しました。沖縄・石垣島の出身。島にある八重山商工高から春夏連続で甲子園に出場した〝島人の宝〟は今、東京の繁華街で日々、汗を流してます。山あり谷あり。いろいろあった野球人生を、知られざる秘話とともに振り返ります。全3回の、今回は前編。

プロ野球2023.03.27 11:05

金子真仁

▼大嶺祐太の野球人生▼

〈前編〉電動自転車で台場に到着

〈中編〉｢オレたちは待ってるぜ｣

〈後編〉金城長靖と最後の対戦

◆大嶺祐太(おおみね・ゆうた)1988年(昭63)6月16日、沖縄・石垣市生まれ。八重山商工から06年高校生ドラフト1巡目でロッテに入団。22年は中日に移籍し、育成選手でプレー。同年限りで現役を引退した。通算は先発、救援で129試合に登板し、29勝35敗1ホールド、防御率4・72。184センチ、80キロ。右投げ左打ち。

｢ちょっと道に迷いまして｣

22年12月のある日、台場で待ち合わせした。レインボーブリッジの向こうに、東京の摩天楼がそびえる。約束の時間の20分前、律義に電話が入る。「申し訳ありません、ちょっと道に迷いまして」。やがて遅れて到着した大嶺さんは、自転車に乗っていた。

大嶺祐太さんの故郷石垣島を上空から。海は透き通っている＝21年１月

「義理のお父さんが電動付きママチャリを買ってくれたので。自分、名古屋には車を置いていったんですよ。ナゴヤ球場まで自転車で30分くらい、毎日通っていました」

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金子真仁Masahito Kaneko

Kanagawa

1980年11月、神奈川県座間市出身。法大卒、2003年入社。
震災後の2012年に「自転車日本一周」企画に挑戦し、結局は東日本一周でゴール。ごく局地的ながら経済効果をもたらした。
2019年にアマ野球担当記者として大船渡・佐々木朗希投手を総移動距離2.5万キロにわたり密着。ご縁あってか2020年から千葉ロッテ担当に。2023年から埼玉西武担当。
日本の全ての景色を目にするのが夢。22年9月時点で全国市区町村到達率97.2％、ならびに同2度以上到達率48.２％で、たまに「るるぶ金子」と呼ばれたりも。