【三宅星南〈中〉】やめようかな・・・長光歌子コーチとの出会いで霧が晴れた

日刊スポーツ・プレミアムでは、毎週月曜日にフィギュアスケーターのルーツや支える人の思いに迫る「氷現者」をお届けしています。

シリーズ第17弾は22年4大陸選手権4位の三宅星南(21)が登場します。

第2回は、思うような結果を残せず悩んだジュニア時代に、憧れる高橋大輔の恩師、長光歌子コーチと出会い、少しずつ成長していった過程を振り返ります。(敬称略)

フィギュア

   

ジュニア最初のシーズンの15年全日本ジュニア選手権、9位に終わり全日本出場を逃す。「出たかったな…」

ジュニア最初のシーズンの15年全日本ジュニア選手権、9位に終わり全日本出場を逃す。「出たかったな…」

中2の挫折から始まった苦難の日々

どんなことにも意味がある-。

三宅星南(21=関空アイスアリーナ)の胸には、いつもその言葉がある。うれしかったこと、楽しかったこと、つらかったこと、悔しくて涙が止まらなかったこと。全ては今に通じている。だから、三宅は、絶望した過去も「ターニングポイント」と呼んだ。

15年11月23日の茨城・ひたちなか市は、雨だった。どんよりとした空から冷たい滴が落ちてくる。全日本ジュニア選手権の演技を終えた三宅は、笠松運動公園のアイススケート場から外を眺め、ため息をついた。

「全日本選手権、出たかったな…」

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スポーツ

竹本穂乃加Honoka Takemoto

Osaka

大阪府泉大津市出身。2022年4月入社。
マスコミ就職を目指して大学で上京するも、卒業後、大阪に舞い戻る。同年5月からスポーツ、芸能などを取材。