【三宅星南〈下〉】8歳倉敷にて、高橋大輔のメダルに触れた 五輪を思う原風景

日刊スポーツ・プレミアムでは、毎週月曜日にフィギュアスケーターのルーツや支える人の思いに迫る「氷現者」をお届けしています。

シリーズ第17弾は22年4大陸選手権4位の三宅星南(21)が登場します。

全3回の最終回は、今季にかける思い、そして、最高峰の舞台オリンピックに向けてもがく姿を描きます。(敬称略)

フィギュア

   

21年全日本選手権、フリーの演技。6位に入り成長を実感するとともに、トップクラスとの実力差も痛感した

21年全日本選手権、フリーの演技。6位に入り成長を実感するとともに、トップクラスとの実力差も痛感した

「今季はもう1個上に行きたい」強い決意

大阪・関空アイスアリーナの営業終了を告げる「蛍の光」が鳴り響いた。だが、三宅星南(21=関空アイスアリーナ)は気にするそぶりを見せず、りりしい表情で今季のスタンスを口にした。

「昨シーズンは、落ち込むようなことがあってもずっと戦い続けられました。そこは自分が強くなった部分だと受け止めて、今季はもう1個上に行きたいと思っています」

多いときは毎朝特訓しているというクラシックバレエで鍛えられた姿勢が、さらに美しく整った。

「もう1個上に」-。その姿勢の出発点は、21-22年シーズンにある。

21年12月末のさいたまスーパーアリーナ。“22年北京五輪代表選考会”の顔を併せ持つ特別な全日本選手権で、成長を実感するとともに現実を見た。

24日のショートプログラム(SP)で6位発進し、迎えた大会最終日26日のフリー。外は日が落ち、気温が1度まで下がる中、純白の衣装に身を包んだ三宅は全体19番目に氷上に立った。

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スポーツ

竹本穂乃加Honoka Takemoto

Osaka

大阪府泉大津市出身。2022年4月入社。
マスコミ就職を目指して大学で上京するも、卒業後、大阪に舞い戻る。同年5月からスポーツ、芸能などを取材。