【朝乃山を追う:25年名古屋場所〈上〉】弟弟子からの力水、そして関取復帰を決めた
大関経験者の朝乃山(31=高砂)が、1年ぶりの関取復帰を決めました。西幕下筆頭で臨んだ7月の名古屋場所を5勝2敗。同場所後に行われた秋場所(9月14日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議で、再十両昇進が決定しました。昨年5月の夏場所を右膝痛で全休。同7月の名古屋場所で、左膝前十字靱帯(じんたい)断裂などの大けがを負い、合わせて5場所連続休場の長期離脱後、三段目から再起して3場所で、まずは十両まで番付を戻すことを決めました。名古屋場所の戦いぶりや部屋での様子などを「上」、再十両を決めた心境などを「下」として、2回にわたってお伝えします。
大相撲
1年ぶりの名古屋
大粒の汗を流していた。愛知・蟹江町にある寺院の屋外稽古場。朝乃山は場所前から連日、気温35度前後という猛暑の中で精力的に稽古していた。
部屋の幕下以下を相手にほぼ毎日、20番前後の申し合い。岐阜・羽島市の木瀬部屋にも2日間、出稽古し、同じ幕下力士の他に、前頭金峰山、美ノ海、英乃海らを相手に、両日ともに20番ほど取っていた。
朝乃山「やっぱり、暑いんでね。体は動きますね。でも油断して、けがを再発してしまうのが怖いので。いかに集中して取るか、ですね」
幕内だった昨年の名古屋場所4日目の一山本戦で、左膝を大けがした。けがした時のことが脳裏をよぎることはないのか。
朝乃山「気が付いたら1年という感じですね。特に、名古屋に来たから思い出すとかはないです。けがの1年は、謹慎休場の時とは重みが違います。けが明けの時の、相撲を取れる喜びは大きかったです。力士である以上、けがはつきものですからね。できれば幕内上位に戻って、横綱と戦いたいです。まあ、いろんな思いがありますね。そのためには着実に1歩1歩、やっていかないといけないです」
夏場所を終えて間もない5月29日には、19年夏場所の優勝額が、地元富山市の市役所に設置されることを受け、除幕式に参加した。両国国技館に飾られる優勝額は、四方に8枚ずつ、直近32場所分だけ。そこから外れたことで、月日の流れの早さも感じているという。ただ「難しいのは分かっていますけど、できることならもう1度、優勝したいです」と、2枚目の優勝額を両国国技館に飾りたい思いも、強く感じた1泊2日の除幕式参加だった。だからこそ、場所前の稽古が熱を帯びるのも当然だった。
「謹慎の時よりも早かった」
迎えた名古屋場所初日。夏場所は十両だった、西幕下2枚目の夢道鵬と初めて顔を合わせた。立ち合いすぐに右を差し、相手に先に上手投げを打たれた。だが、かいなを返し、体を預けるようにしてすくい投げを打ち返して仕留めた。「相撲的には良くないけど、投げられても反応して、かいなを返していけたのはよかった」と、瞬時の対応力、相撲勘が戻ってきたことへの手応えを口にした。
取組後は「謹慎の時よりも早かったですね。1年後にまた、名古屋場所で相撲を取れたことがうれしい」と、新型コロナウイルスのガイドライン違反で、6場所の出場停止を受けた時よりも、心身ともに充実したという。「太く長く現役生活を続けたい」。勝ち越せば、十両返り咲きに大きく近づく場所を白星発進。関取として、もう一花咲かせたい思いが強くなっていた。
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高田文太Bunta Takada
1999年入社。現在のスポーツ部ではサッカー(1)→バトル→五輪→相撲(1)→(5年半ほど他部署)→サッカー(2)→相撲(2)→ゴルフと担当。他に写真部、東北総局、広告事業部にも在籍。
よく担当や部署が替わるので、社内でも配った名刺の数はかなり多い部類。
数年前までは食べる量も社内でも上位で、わんこそばだと最高223杯。相撲担当になりたてのころ、厳しくも優しい境川親方(元小結両国)に「遠慮なく、ちゃんこ食っていけ」と言われ、本当に遠慮なく食べ続けていたら、散歩から戻った同親方に「いつまで食ってんだ、バカヤロー!」と怒られたのが懐かしいです。
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