山崎小葉音(22=群馬)の精神面での成長に驚かされた。

7月の住之江ヴィーナスシリーズを取材した時に、持ち前の攻撃力だけでなく、自分を冷静に分析して反省する姿が印象的だった。

父は山崎智也さん、母は横西奏恵さん。デビュー当時は最強の両親を持つ女子レーサーとして注目を集めたが、今ではファンの期待に応える確かな精神力が支えだ。

山崎小葉音(2023年7月19日撮影)
山崎小葉音(2023年7月19日撮影)

師匠は“まくり屋”の椎名豊。両親もまくりが得意だった。その系譜を受け継ぎ、果敢に握って勝利を挙げることにこだわる。「スタートをしっかり行って仕掛けていくことが大切。椎名さんのレーススタイルは本当に好き」と魅了するレースを心がけている。

「勝てない時こそエンジンのせいにするな。エンジンを出せない自分が悪いと思え」という師匠の言葉を金言にして、言い訳することを止めた。「エンジンのせいにすると選手生命が終わってしまうと言われている。行き足を引き出すことにこだわっている」と話す。

昨年は地元桐生で開催されたG2レディースオールスターに出場。いつの日か、両親と同じように大舞台で勝利を挙げる日が来ると記者は信じている。

◆山崎小葉音(やまざき・こはね)2000年(平12)10月7日、徳島県生まれ。18年11月に地元桐生でデビューし、20年7月戸田で初勝利。初優出は22年9月の地元桐生オールレディース(4着)。趣味は洋服などのショッピング。148センチ、44キロ。血液型A。