さながらチルト3度専用機と化している。蒲郡では7月から新エンジンが使用され、現在のお盆開催で5節目。まだエンジン相場は流動的だが、そんな中でも興味深い1基がある。それが16号機だ。

発端は初降ろしの開催だった。5枠で優出を果たした岡田憲行が「ピット離れか、伸び仕様か。どちらかに寄せて調整する」と熟考した末に、チルト3度を選択した。

そのセッティングを受け継いだ大広咲季、田中宏樹もそれぞれチルト3度にトライ。田中は1枠のケースではチルトを下げることもあったが、節間を通じて基本的には3度で戦い「勉強になりました。チルト3度にすると、めちゃくちゃ伸びるけど、乗っている感じも悪くなかった」とコメントを残した。

チルト3度で新境地を開拓した堀之内紀代子
チルト3度で新境地を開拓した堀之内紀代子

蒲郡でチルト3度といえば、堀之内紀代子が真っ先に頭に浮かぶ。昨年9月だった。地元の仲道大輔のチルト3度を継承し、豪快な走りを演じた。惜しくも優出は逃したが、その後のチルト3度を駆使した活躍はご存じの通り。新たな境地を開眼する大きなきっかけとなった。

16号機は大広、田中がいずれも前検1番時計をマークするなど、伸びに関しては高いポテンシャルを秘めている。今後の16号機の動向はもちろん、大広、田中の活躍にも期待したい。

チルト3度を経験したことによって、何らかの発見はあったはず。自分のスタイルを貫くことも大切だが、時には他人が敷いたレールの上を走ってみるのもいい。“チルト3度専用機”を中心に起こるであろう化学変化を楽しみにしたい。