小学3年から機械体操一筋。見よ、この柔軟性!
小学3年から機械体操一筋。見よ、この柔軟性!

ボートレース界の“ケンシロウ”は、SNSの脱力感で人気を得た。

佐藤謙史朗は福岡支部の111期生。決して強豪レーサーではないが、X(旧ツイッター)の人気は、ボート界トップ級を誇る。いい意味で、レーサーのイメージを裏切り、たま~に、プロ魂もチラリ。そのギャップが面白く、多くのファンが支持している。

中でも、前検日の行動がバズッた。レーサー=タクシーに乗り、さっそうとレース場に登場する-。この姿を思い浮かべるファンが多いと思うし、実際、入り待ちの経験がある人は、これが普通の感覚だ。しかし、佐藤はその正反対を行った。最寄り駅からボート場まで、徒歩で移動する。多少、遠かろうが、キャリーバッグを引っ張って、コツコツ歩く。この肩肘張らない、コミカルな投稿で、ファンとの距離をぐっと縮めた。

佐藤 最初は新小岩駅から江戸川まで歩いた(約40分)のがきっかけです。タクシー代をけちるのと、最後の悪あがきで減量も兼ねてでした(笑い)。でも、施行者の方が面白がってくれて、リツイートしてくれた。気軽な感じでやったけど、ファンの方の反応も良かったです。最近の夏はすごく暑いけど、見てくれる人がいる限り、できるだけタクシーを使わず、頑張って歩きます! 

佐藤謙史朗(2022年6月撮影)
佐藤謙史朗(2022年6月撮影)

“徒歩移動”だけでなく、減量の様子、フライング休み中の引っ越しのアルバイト、また、スイーツ、ラーメンを食べる姿など、隠すことなく、ファンに提供する。減量に至っては、58・8キロから、わずか1日で5キロ近く減らす姿も公開した。「緩さ」と「プロの覚悟」が入り交じり、このメリハリがいい。

佐藤 最初の体重は、ご飯を食べて、体がむくんでいる状態で計りました。僕は筋肉質で人より水分が多く、体重が落ちやすい体質だと思います。普段から水をよく飲むようにして、基本的に前検日は絶食しています。また、引っ越しのアルバイトは1週間、午前7時半から働いて、帰るのは22時でした。家でじっとしているのは好きじゃないし、フライング休み中だと、家族の冷たい視線があるので(苦笑)。

とはいえ、昨今のSNSは中傷と隣り合わせ。その対応も信念を持って行っている。

佐藤 普段からやせとけ! とか意見が届くけど、無視はせず、返信すると決めています。最初は落ち込んだけど、やりとりする内に、ファンになってくれる人もいる。X(旧ツイッター)をやっていたおかげで、横断幕を送ってくれた人や、レース場でタオルを振ってくれた人がいます。やってて良かったと思うし、応援してもらえて、僕自身もうれしい。特に、今は入り待ち、出待ちが禁止されているのでファンと接点を持てることが喜びです。

佐藤謙史朗のX(旧ツイッター)から
佐藤謙史朗のX(旧ツイッター)から

水面だけでなく、SNSでも自らを目いっぱい表現する佐藤のアカウントはこちら。@satoken4729。1度、見れば、その脱力感が癖になるはずだ。【東和弘】


◆佐藤謙史朗(さとう・けんしろう)1989年(平元)2月7日、大分県生まれ。ボートレーサー養成所の111期生として、12年11月若松でデビュー。13年9月からつで初勝利。158センチ、56キロ。血液型B。ファンからは「サトケン」の相性で親しまれる。小学3年から器械体操を始め、日体大に進学。体操部では五輪総合2連覇を達成した内村航平と同じ寮に住んでいた。