肥後のオールラウンダーが、一気に頂点へ駆け上がった。
嘉永泰斗(27=熊本)が単騎まくりでG1初優勝。久しくビッグタイトルから遠ざかっていた九州勢に、起爆剤となる勝利をもたらした。初のKEIRINグランプリ(GP、12月30日・平塚)出場権もゲットした。
2着の松本貴治は賞金ランクを10位まで押し上げ、古性優作は3着で大会初の3連覇はならなかった。
名実ともに九州のニューリーダーになった。デビュー8年目の嘉永泰斗が初挑戦のG1決勝で、ものの見事に単騎まくりを決めて勝った。Vゴールすると、すぐに右腕を突き上げて喜びを爆発させた。「うれしい、まだ信じられない。調子を落として苦しい時期もあったので。チャンスをものにできて良かった」。しみじみと振り返った。
孤軍奮闘した。犬伏湧也ら四国勢に、大会初の3連覇が懸かる古性優作、ダービー王の吉田拓矢を相手に単騎で挑んだ。吉田が逃げ態勢に入ると、その3番手をキープ。真後ろに古性が位置する状況でも、最終2角で仕掛けた。「仕掛けどころを間違えずに力を出し切れたらと。こんないい展開はそうそうない」。絶好機にも動じず、力まず、強気な攻めで頂点へ駆け上がった。
16年4月の熊本地震から立ち直る、地元のパワーを武器にする。リニューアルしたバンクで来年2月にはG1全日本選抜が開催される。練習仲間でビッグ覇者の中本匠栄らと心を通わせ、春先から練習の量と強度を上げた。「体力が付いたと思う」。長丁場で心身ともに消耗するG1戦への備えが、早くも実になった。
九州勢のG1タイトル獲得は、熊本の先輩・中川誠一郎が19年6月の高松宮記念杯を制して以来になる。すぐに地元九州でG1競輪祭(11月19~24日・小倉)がある。そして、暮れにはGPに挑む。九州王国の復興へ鍵を握るオールラウンダーは「プレッシャーがかかるが負けないように。頑張る」と、真っすぐ前を見据えて決意表明した。【野島成浩】
◆嘉永泰斗(かなが・たいと)1998年(平10)3月23日生まれ、熊本県玉名市出身。九州学院高で自転車競技を始め、競輪学校(現養成所)113期生として18年7月に武雄でデビュー(予選1、準決1、決勝5)。今回がG2も含めビッグレース初優勝。通算523戦202勝。通算獲得賞金は2億5611万1674円。175センチ、81キロ。血液型O。



























