脇本雄太がアップ中に転倒し、左肘関節を脱臼骨折した。「プロとしてあるまじき」とはいえ、G1の準決前に転んで走れない無念さも分かる。復帰した時は、その分も頑張ってほしい。


ヤマコウが決勝で注目する嘉永泰斗
ヤマコウが決勝で注目する嘉永泰斗

決勝は嘉永泰斗を取り上げる。前走の福井G2共同通信社杯から連続でビッグの決勝。層が厚くない九州勢の中で続けて勝ち上がるのは、脚力が上がった証拠だ。

彼の持ち味は、さばきもできれば、カマシもできるところ。先行の裏付けがあるからこそ自在の幅は広がる。自らレースを作ることはタイトルを狙う上で欠かせない要素だ。

福井決勝でラインができたのは近畿勢だけ。単騎の選手が動かなければ、寺崎浩平が楽に逃げて見せ場がなくなる。太田海也、深谷知広が動き、嘉永は足をためてまくりに懸けたが4着。受け身だけでは打開できなかった。

その反省があったのか、準決は真杉匠の3番手を単騎の山口拳矢と並走。3番手は拳矢が奪ったが、嘉永も積極的に攻めて決勝入りを決めた。7月の玉野G2サマーナイトフェスティバル2予で郡司浩平に突っ張られ「どうしたら良かったですか?」と迷う嘉永は、そこにはいなかった。

一流選手に必要なのは、同じ失敗をしないこと。同じレースは2度とない中で「同じ失敗」とは何なのか? それは、その瞬間に感じた迷いやためらいを再び繰り返すことだ。

決勝は犬伏の先行にどう対応するかが焦点。足をため過ぎれば後方に置かれるし、使うと優勝が遠のく難しいレースになりそうだ。嘉永がどんな判断を下すのか注目したい。(日刊スポーツ評論家)